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拍手下さった方、ありがとうございますv



↓ジャックを苛めています……
 …こんな調子で幸せなスネ雷になるんだろうか……

 スネークの指が触れた所は、どこも熱くて仕方が無かった……。その熱はスネークのものでは無く、自分の中から沸き上がって来るのだと判っていたが、ジャックはそれに身を任せる事は出来なかった。
 ジャックの心の中は決まっていた。スネークを解放しようと……、自分の災いに巻き込むくらいならば、遠く離れた世界で彼の為の幸せを築いて欲しかった。スネークも、ジャックとは異なる理由ではあったが、平穏な日々を送った事はほとんどない筈だった。タンカー事件があってから、隠遁生活を送っていたスネークが、ビッグシェル事件のせいでまた戦場に駆り出される事になったのはジャックの責任では無かったが、…これ以上一緒にいる事は、ジャックにとっては苦痛になりそうだった。彼を嫌っているわけではないのだ…、逆に、彼を思う気持ちを隠している事が辛くなってしまうのだ。
 今も、ジャックはスネークの背を抱き返したいのだが……、床の上に投げ出した腕を上げる事は出来なかった。
「…っ……」
 何とかしてスネークの与える刺激から気を逸らそうとするが、直に肌に口づけられるとジャックは息を詰めて声を耐えるしかなかった。
 外に出る事が少なくなっていた為に、以前にも増して白くなったジャックの胸肌に、スネークは赤い痕を残した……。きつく吸い上げられ、ジャックの背が戦慄くのを見て、スネークも自分を抑える事が出来なくなっていたのだ。こんな痕が、何を残せるのか……、判っていても、スネークはジャックに自分の痕を残したかった。こんな風に体を重ねても、何も生まれはしない……。スネークも感じている事だが、ジャックをいつまでも暗い穴の底に一人で置いて置く気にはなれなかった。
「…ジャック…俺を見ろ…」
 素肌を指でなぞりながらスネークが言うと、ジャックは首を振って顔を伏せた。
「ジャック……お前に惚れてる男の顔を見てみろよ」
 石膏像のように白く整った頬に手を当てて、ジャックの顔を自分の方に向けると、スネークは唇を重ねた。
 言葉でジャックに伝える事は、スネークには出来そうに無かった。憐憫の思いが無いわけでもない、ジャックの境遇に少なからず同情も感じている……少なからずどころか、ソリダスを自分の手で葬る事が出来なかった事を悔しく思うほど、スネークはジャックの過去に深い思いを持っているのだ。だが、それをどうやって言葉にして伝えたらいいのか判らない。可哀想に思っていると言えば、ジャックを余計に傷つけてしまうだろう……、スネーク自身が自分の中でどうやってジャックへの思いが恋に変わったかも判らないのだ。ビッグシェルで出会った時には、同志としてジャックをリクルートできるかも知れないと言う下心が無かったわけではないが、ジャックの生い立ちを知り、ソリダスとの深い繋がりを目の当たりにした時、スネークは激しい嫉妬を覚えた。
 キスを繰り返しながら、スネークの手がジャックのシャツを取り去った。身を捩るようにしてスネークの手を逃れようとするジャックだったが、いつの間にか今朝着こんだトレーニングウェアはすべて脱がされてしまった。
「…スネーク……」
 これ以上は触れて欲しく無かった……。もう一度体を重ねてしまえば、余計に辛くなってしまうだけだった。哀願するように見つめたジャックの眼差しに、スネークは目を細めた。
 骨折した足に負担がかからないようにしながら、スネークがジャックの体に触れて行く。肩に口づけ、鎖骨に触れ、まだ以前のような筋肉は取り戻してはいない胸に舌を這わせる。ジャックの体のどこか感じやすい場所なのか、スネークには判っているかのように淀みなく続く愛撫。
 ジャックは自分の体が萌しはじめている事に、絶望的なものを感じた。それをスネークも気付いているのだと思うと、今更にひどい羞恥を覚えた。どんなに気持ちが落ち込んでいても、もの欲しそうに反応する自分の体が疎ましかった。
「…あっ……」
 スネークの手がジャックに触れた。柔らかく握り込むようにして動く手に、ジャックは小さな声を上げた。
 ジャックの閉じた瞼から、涙が零れ落ちた。
 ……何も知らなければ良かった……。人の中にある恐ろしい闇、子供の柔らかな心は常に傷を受けて血塗れだった。その心を癒す事も出来ずに、ただ、体だけが生きる術を覚えて行く……。そんな生き方をしてきた事が、ジャックには本当に辛くなってしまった。
「…あ…あぁ……」
 ジャックの先走りを塗り拡げるように、スネークの指先は足の間をなぞるように滑っていた。
 どんなに拒もうと思っても、スネークの指先を易々と受け入れてしまう体、ジャックの望んだ事では無かったが、慣らされてしまった体は、この先の快楽を知っている……。
 ……誰も知らなかったら……、初めて体を繋ぐ相手がスネークであったら………。たとえスネークでは無かったとしても、……愛情の表現としてのそれを知っていれば………。
 体は喜んでしまうが、…ジャックは常にセックスに対しての嫌悪感を覚えていた。人との距離を計りかねて、拒絶を示すか、一気に距離を無くしてしまう為にセックスに頼る……、そんな風にしか対人関係を築く術を知らなかったのだ。
 スネークの熱い塊に貫かれ、噎び泣くような声を上げながら、ジャックの心は血の色の涙を流していた。

 ……スネークを汚している………。
 ジャックは自分の体を呪った。
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