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拍手下さった方、ありがとうございます!



↓snakekitchenとは違う方のスネオタな感じです

 自分の上で荒く息を吐いている背中に手をまわし、オタコンは射精後の怠さもあって目を閉じた。
 こんなにも人肌が心地よくて、誰かの重みに安心するとは思ってもいなかった。スネークに出会わなければ、こんなに落ち着いた気持ちは知らなかったかもしれない。
 小さく身じろぎして、オタコンが眠る体勢を探していると、スネークの重さが体の上から退いた。
 スネークの手がサイドテーブルの上を探って、モスレムを1本取った。
「あのね、スネーク」
 スネークが咥えた煙草に火を点ける前に、オタコンは手探りでその煙草を取り上げた。
「おい、火が点いて無いからいいが、危ないだろう」
「まだ火が点いて無いのは知ってるよ」
 オタコンはベッドの下に煙草を投げた。
「買い置きが少なくなってるんだ、やめろ」
 もう一度サイドテーブルに伸ばされたスネークの手を、オタコンが掴んで引き寄せた。
「ねぇ、これはなんか面倒臭い仕事なの?」
「あ?」
 真っ暗な部屋の中で、オタコンの顔は見えなかったが声の調子は怒っているようだった。
「君いつも一仕事終えたみたいに煙草吸うよね?面倒臭いの?君は楽しくないの?」
「おいおい」
 スネークにそんなつもりはまるで無いのだが、オタコンは彼が何か義務感のような物で自分とセックスしているように思っているようだった。
「おい、これは癖みたいなものだから……、いつだって吸ってるだろ?」
 いきなり怒りだしたオタコンに、スネークは戸惑った。
「そうだよね、君には癖みたいなものだよね」
 オタコンはスネークの手を離すと、背中を向けて毛布を被った。
「薪を割ったら一服、犬の運動が済んだら一服、屋根を直したら一服、…僕とセックスしてやったら一服」
「おい、何を怒ってるか知らんが、そんな言い方するなら俺も怒るぞ」
 スネークがオタコンの肩を抱き寄せようとすると、大きく肩を振って払われた。
「怒ればいいよ」
 オタコンは自分の女々しさに腹が立ってきた。こんなのは言い掛かりだと言うのは分かっている。……だが、不安でもあった。スネークは自分とこんな事をして楽しいのか、自分は少しでもスネークを楽しませているのか、…スネークは自分にどんな思いを抱いているのか……。何か一仕事終えたように、自分から離れて煙草を吸うスネークを寂しく思っていたのだ。
 スネークはサイドテーブルに手を伸ばしたが、モスレムには手を伸ばさずに、小さなランプに灯りを点けた。
 毛布の上から、くしゃくしゃになったオタコンの髪が覗いている。
「オタコン」
 毛布ごと背中を抱き締めたが、骨ばった小さな背中は黙ったままだった。
「冷たくするなよ……寂しいだろ?」
 スネークが誰にでもこんな事を言っている筈がない事を、オタコンも知っている。軽口を叩くような事はあるが、スネークは自分のテリトリーに入れる人間にこだわる。誰かれ見境なく関係を持つような男では無い。オタコンもしばらくスネークと一緒にいて、それは分かっているのだ。
「…や…やだってば!」
 毛布の中を探ってきたスネークの手を振り払おうとして、勢いが余ったオタコンの手が彼の頬に当たった。
「いっ…」
 手首の骨がダイレクトに唇に当たったようで、スネークが口許を押さえた。
「……あ…」
 頼りないランプの明かりだけでも、スネークの口の端が切れているのが分かった。
「スネーク…」
 起き上がったオタコンがスネークの顔を覗き込むと、口を押さえて顔を伏せていたスネークの腕が素早い動作でオタコンを抱き締めた。
「俺は欲張りなんだよ」
「スネーク…?」
 スネークの唇から流れた血が、オタコンの頬についた。
「煙草でも吸わなきゃ、もう一回って言いたくなるだろう?一晩に何回もなんて、こんな細っこい体で無理なのは分かってるのにな」
「あ…ま…待ってよ、スネーク」
 まだ先ほどの滑りを帯びたところに、スネークの指が潜り込んだ。
「あっ…だめっ」
 一度オタコンが腹を下してからは、必ずスネークがコンドームを使うようにしていた為に中には何も残っていないが、僅かに残っているローションの滑りだけでスネークの指は容易くオタコンの奥まで入り込んだ。
「ほら……まだ、足りないって分かるだろ?」
 スネークの指を逃れようとすると、熱く昂ったスネーク自身にオタコンは自分から体を擦り付けるようになってしまう。
「俺だって落ち着いたいい大人だ。腕枕で気の利いた事の一つも言いたいんだけどな」
 スネークは乱暴とも思える扱いで、オタコンを膝の上に抱き上げた。
「暴れん坊が言う事を聞かないんだよ」
 反り返ったスネークが、オタコンの尻の間を滑った。
「あ…!」
 体毛の少ないオタコンのそこに、スネークは自身を擦りつけた。直に自分の中に入り込んだスネークは、いつもよりも熱く感じた。
「あぁ…」
 オタコンは息を吐きだすと、スネークの首にしがみ付いた。
 スネークの熱い息が首筋に当たる。
 ……分かっている事だった。スネークが自分に不誠実だった事など無いと、オタコンは知っていた。
「スネーク…」
 揺すり上げられて、オタコンの眦から涙が零れた。
「悪かったな。……こんなガキみたいな男で…」
 荒い息を吐くスネークの唇から、微かに血の匂いがしていた。
「…ばか…大好き……」
 オタコンは血のついたスネークの唇にキスした。
 ……本当は、知っているのだ。
 オタコンはスネークがどんな男なのか、ちゃんと知っていた。
 
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