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↓スネークはエロおやじっぽいです。

 幾つかある隠れ家の中で、スネークがここを気に入った理由は、レンガ造りの竈だった。アパート自体がかなり古い物で、地上3階エレベーター無し、…エレベーターを設置してあった空洞はあるが…、老朽化が進み安全を保持できなくなったエレベーターは撤去されていた。年代物のアパートは、ほとんど住民がおらず、スネーク達が身を隠すには打って付の場所だったが、階段の軋み音はオタコンには不評だった。
「スネーク、僕お腹がすいたよ。レーションを食べちゃダメかい?」
 鼻唄交じりに生地を捏ねているスネークの背後で、オタコンがすまなそうな声を出した。
「俺のマルゲリータとレーションを同列にするつもりか?」
「何を作っているのかと思えばピザなのかい?デリバリーでいいじゃないか、ピザなら…」
「アメリカ人の言うピザってのは、あの分厚いパンみたいなのの事だろう?あんなべちゃべちゃした物が食えるか」
 スネークは相変わらず大きなボールの中で、ネバネバした生地を捏ねながら言った。
「アメリカ人はって…、君だってアメリカ人だろう?」
「さぁな。俺には東洋人の血が入ってるらしいし……、美人と見れば構わずにいられないところはイタリア人みたいだしな」
 …厳密に言ったら…、人でさえ無いかも知れない……。スネークもそこまでは言わなかったが、狭いキッチンの中に気まずい空気が流れた。
「旨い飯が食いたければ、俺の邪魔をするな。いいな?」
 別にレーションでも構わないのに…、とはオタコンにも言えなかった。
「じゃあ、僕はもう少し仕事をしてくるよ」
「ああ、焼けたら呼んでやる」
 ボールの中の生地に集中しているスネークを残し、オタコンは自分の部屋に戻った。
 オタコンが出て行ってから、スネークの鼻歌がまた始まった。ボールの中の生地も丸く纏まり始め、オリーブオイルを塗って休ませる間にスネークが煙草に火をつけた。先折れタバコであるモスレムは火を点ける必要は無いのだが、ゆっくりと立ち上る煙を見るのがスネークは好きだった。
 キッチンの細長い窓を開け、隣のアパートの外壁に巣をかける鳩を眺める。スネーク達がここに越して来た時に、この鳩の番いも巣をかけ始めた。どことなく親近感を覚え、スネークは毎日見ていたのだが、今日は一羽だけが忙しなく飛んでいて、残りの一羽は巣の中に座ったきりだった。どうやら卵を産んだらしい。3メートルと離れていないところで眺めているスネークを警戒するのか、飛んでいる一羽は何度もキッチンの窓の近くまで来ていた。2本目の煙草を点けたスネークが、窓を閉めてブラインドを下ろした。覗きをやめない限り鳩は安心して餌を探しに行けないだろう。
 煙草を2本吸い終わったところで、スネークが腰を上げた。まだ2時間弱は記事を寝かせて置かなければならない。キッチンにいてもする事はあまり無かった。
「おい、オタコン」
 銃器類の手入れのいる物もほとんどここには置いていなかったために、スネークの暇潰しの矛先は自然とオタコンに向かう。
「え?!…な、何?スネーク」
 スネークがオタコンの部屋のドアを開けると、明らかに動転した様子のオタコンがデスクの下に何か隠した。
「…何を隠した?」
「何も…何も隠してないよ」
 上ずった声を出したオタコンが両手を上げて見せたが……、その掌と唇の端にはチョコレートが付いているのをスネークは見逃さなかった。
「チョコレートバーを食ったな?」
「食べてないよ…。だって、スネークが僕の為に素敵なピザを作ってくれるって言うのに、そんなもの食べるはず無いじゃないか」
「本当だな?」
 ドアを離れ、スネークがオタコンを追い詰めるように動くと、オタコンは縦に頭を振りながら椅子についたキャスターで後退った。
「ほ、本当だよ。食べるわけな…」
 オタコンの椅子の背もたれが背後の壁にあたって、それ以上は下がれないところでスネークの手が動いた。青いボタンダウンシャツの襟をつかむと、そのままの勢いでオタコンの体を引き寄せたのだ。
「んんーっ!」
 必死にスネークの胸を押し返そうとするオタコンだが、噛みつくようにされたキスがそのまま深く貪るようなものに変わる頃には体中の力が抜けてしまった。
「チョコレートの味がする」
 唇を離したスネークがにっと笑った。
「…酷いよ、君…」
 口中を余すところなく蹂躙されたようなオタコンは、息が上がり頬も上気して眼鏡の奥の瞳は涙ぐんでいた。
「酷いのはどっちだ?人が一生懸命おいしい物を作ってやろうとしているのに」
「だって…」
 椅子に座ったオタコンの上に、スネークが圧し掛かるように身を寄せた。
「まだチョコレートバーを隠してるのか?」
「え…え!…スネーク!」
 シャツの上から胸を鷲掴みにされて、オタコンが身を捩った。
「やだってば!持ってないよ!」
 乳房の膨らみは無いが、スネークの手に揉みしだかれてオタコンの乳首がシャツの上からでも判るほど立ち上がった。
「これは?レーズンか?それにしちゃ、小さいな」
「スネーク!ふざけないっ…あっ!んんっ!」
 立ち上がって敏感になった所をさらに抓るように摘まれて、オタコンが小さく悲鳴を上げた。
「ほら見ろ、隠してたじゃないか」
 喘ぎそうになる口を押さえていたオタコンの体が強張った。
「や…ちがっ…」
 今日は柔らかいチノパンを履いていた事をオタコンは後悔した。いつの間にかオタコンの膝はスネークの脚に割り開かれ、無遠慮な手がその中心をやんわりと握っていた。
「ま…待ってよ…スネーク…ぅんっ…や…」
 布越しに擦り上げられて、オタコンの頬が益々上気した。
 ……スネークとの間に性的な交渉を持ったのは、シャドーモセスを脱出してそれほど経たない頃だった。二人でメタルギアの撲滅の為の組織を作ろうと、ナターシャに援助を求めたりしていた頃、オタコンは初めての人肌をスネークに教えられた。人と付き合う事が小さい頃から苦手だったオタコンは、初恋の少女などもいなかったし……、ウルフに抱いていたのもプラトニックな憧れに近いものだった。裸の皮膚の擦れ合う熱を初めて教えたのはスネークなのだ。
「スネーク…」
 涙声になるオタコンの眼鏡を外し、スネークが柔らかく口づけた。幾度、こうして触れてもオタコンはスネークの手に怯えた。快楽を覚えるようになっても、彼は自分に触れ、暴く手を怖がった。
「…こんなの…嫌だよ…」
「こんなのじゃなければ、どんなのがいいんだ?」
「…暗くして……」
 眼鏡を外されたオタコンの眼が、おどおどとスネークを見上げた。いい年をした男が、こんな事を言うのは可笑しいと、…せめて慣れた振りだけでも出来ないだろうかと、オタコンはいつも考えるのだが……、いい年をした男だからこそ、恥ずかしいのだ。物欲しそうに強請る目をして、口先では嫌だと言いながらスネークのなすがままに脚を開いてしまうのを、未だに彼は見られたくはない。
「スネーク…お願いだよ…」
 顔を覆って小さな声で懇願すると、スネークはやっとデスクの上のライトを消した。オタコンが仕事に使うこの部屋は幸いにも窓が無い。元々納戸として使う部屋だったらしく、換気用の窓さえ無かった。
 暗がりの中で、自分の服を剥ぎ取る音を聞きながら、オタコンはそれでも足りないのか固く目を閉じる。…何も、スネークが自分の欲求の為にオタコンの意思を無視しているわけでは無い。頭痛がしたり、忙しかったりでオタコンが嫌だと言えば無理強いはしない。…オタコン自身認める事が辛いのだが、…彼もこの行為を気に入っているのだ。二人きりで始めるには、メタルギア撲滅と言うのはあまりにも大きな目標だった。限られた資金で、限られた人員で、巨大な相手に立ち向かうのはまるでドン・キホーテとサンチョ・パンサだ。その重圧を…そして、それ以前からオタコンの中を…ハル・エメリッヒの中を占める罪悪感を、この一時は忘れさせてくれるのだ。
「スネーク…手を繋いで……君の顔が見えないのが怖いよ…」
「暗くしろだの、怖いだの…、我儘なお姫さまだ」
 僅かに熱を帯びたスネークの声が溜息交じりに言うが、その手はオタコンの手をまるで見えているように探し出して繋いだ。



 オタコンが暗い部屋で目覚めると、いつものように身支度が整えられていた。違和感の残る腰を上げ、手探りにデスクに近づいてライトを点けてみると、洗濯したてのパジャマを着ていた。
「オタコン、起きたか?丁度ピザも焼けたぞ」
 ドアから漏れる僅かな明かりでなのだろうか、外からスネークが声を掛けた。
「うん」
 体中が怠くて仕方が無かったが、建付けの悪いドア越しに鼻を擽る香ばしい香りに、オタコンの腹の虫が小さく鳴いた。
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