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拍手下さった方、ありがとうございます!
↓ボコ題、叫ぶです。
スネ雷パラレルの後のお話です。
それにしても…ボコ題なのに、ちっともぼこれないです……
インフルやら何やらでごたごたしていたら、こんなに更新に間が空いちゃいました。
結構流行ってるみたいですね、新型の方。
萌の神様にお願いして、季節性の方は罹らないようにしたいです(-人-)
↓ボコ題、叫ぶです。
スネ雷パラレルの後のお話です。
それにしても…ボコ題なのに、ちっともぼこれないです……
インフルやら何やらでごたごたしていたら、こんなに更新に間が空いちゃいました。
結構流行ってるみたいですね、新型の方。
萌の神様にお願いして、季節性の方は罹らないようにしたいです(-人-)
夜中に目が覚める。
物音がするわけでもない、何かの異常を感じるわけでもない。だが、目が覚めるのだ。
ジャックは寝返りを打ちたい衝動に駆られるが、じっと息を潜めるようにしてブランケットに包まっていた。
ベッドは別だったが、同じ寝室にいるスネークを起こしてしまわないように、眠れない事は分かっていたが、ジャックは目を閉じた。
……外は吹雪いているのかな……。風の音が微かに聞こえる。ジャックは出来るだけ外の雪や犬達の事を考えるようにした。
何故、目が覚めるのかは分かっている……。
汗塗れになって、目が覚めるのは……、嫌な夢を見るからだ。自分の過去を全て取り戻してから、ジャックはその過去を夢に見るようになった。知らずにいた頃は、漠然と嫌な夢を見たと感じるだけだったが、今ではあれがどんな事だったのかはっきりと分かる……。
苛まれているのは過去の自分であって、現在の自分とは無関係と言ってもいいのだが……、ジャックは過去の自分を救い出せない自分が幸せになっていいものかと思ってしまう事があった。どちらもジャックであり、悲惨な過去から立ち直ったと言う事なのだが、彼の中では過去の自分と現在の自分が分断されているように感じるのだ。
子供のジャックは、いつも今のジャックの中で声にならない声で泣いている。叫ぶ事も泣く事も諦めていた頃のジャックが、今も彼の中にはいるのだ。
もう、苛まれるような事は無い……。守る必要があるなら、彼は自分自身を守る事が出来るまでに成長している。戦う必要があるなら、彼は自分の力で戦う事が出来るのだ。ただ、苛まれるだけの子供では無い。
ジャックが望んだ愛情も、今はスネークが与えてくれる。過剰とも思えるほどの熱烈さで、スネークはジャックを愛してくれていた。肉体的な繋がりだけでなく、スネークはいつもジャックを支えてくれた。
愛している……。スネークの瞳は、いつもジャックにそう言っていた。
何か不足しているわけでもない。何かの脅威を感じるわけでもない。
強いて言うならば、何事もない平穏な日々にジャックは慣れていないのだ。
穏やかな生活。雪に閉ざされた不便などは、かえって煩わしさから解放されたと感じる。ジャックは人の中にいる方が疲れてしまうのだ。自分はおかしく見えないだろうか、人ごみの中でも溶け込んでいられるだろうか、ここでならそんな事に気を使わなくていい。
他者との関わりが増えれば、それだけ彼は自制を強いられる。彼の中の獣が、咆哮を上げないように常に気をつけていなければならない。
ジャックは不意に背中を包み込んだ暖かさに、思わず飛び上がりそうになった。
「…スネーク…?」
モスレムの香がジャックを包み込んでいた。
「目が覚めたら、眠れなくてな」
スネークの手が、ブランケットを掻い潜ってジャックの肌に触れた。
「一人で起きてるのもつまらん。少し、付き合え」
暖かい掌に鎖骨から胸肌を撫でられ、ジャックの緊張が解けた。
ジャックは寝返りを打つと、スネークの腕の中に収まった。
ここが、安全な場所なのだと、スネークの腕は教えてくれる……。あやすようなスネークの手が、ジャックの背を撫でた。
髭の伸び始めたスネークの顎にキスすると、スネークはジャックの額にキスを返す。
傷つけあうのではない。……傷を舐めあうのでも無い。
ハグにはハグで、キスにはキスで……、それだけで良かったのだ。
「吹雪いてるな……」
窓を揺らす風に、スネークの低い声が言った。
「明日は雪掻きだな」
ジャックがスネークの肩に顔を埋めるように言った。
「ああ、冬は忙しくて仕方ないな」
だが、スネークもそうしたドメスティックな作業が好きなようだった。犬の世話、雪掻き、大工仕事、日々の食事の支度や洗濯、そうした作業は、皆が至極当たり前に行うものだが、そんな事も出来ないような世界もあるのだ。
「雪掻きが終わったら、サウナのキットを組み立てようと思うんだ。手伝ってくれよな」
「うん」
ジャックも少しずつスネークの手伝いをするようになっていた。人として当たり前の暮らし、そんなものとは無縁だったジャックには、スネークのする事の全てが新しい驚きだった。
「明日は雪を掻いて、サウナを組み立てて……夕食の後には、サウナに入って……」
スネークの唇が、ジャックの耳を噛むようにして言った。
「のんびりセックスもしよう」
まるでそれを少し贅沢なディナーのように言うスネークの口調が面白くなって、ジャックはその腕の中でくすくすと笑った。
「俺は今からせっかちにするのも嫌じゃない」
笑いながらジャックが言うと、スネークはジャックの項に口づけた。
「そいつも悪くないな」
……そうだ。叫ぶ必要なんかないんだ……。ジャックはスネークの背を抱きながら思った。
笑うだけでいいんだ。叫ばなければいられないような澱は、もう自分の中に溜まってはいない。
ジャックは暖かい腕の中で、微笑んだ。
もう、一人では無いのだ。
「…スネーク、愛してるよ」
叫ばなくても、聞きとってくれる人はこんなにも近くにいる。
「ああ、奇遇だな。俺もだ」
キスにはキスで、愛の言葉に愛の言葉で……、手を伸ばすだけで届くところに、ジャックの愛する男はいた。
物音がするわけでもない、何かの異常を感じるわけでもない。だが、目が覚めるのだ。
ジャックは寝返りを打ちたい衝動に駆られるが、じっと息を潜めるようにしてブランケットに包まっていた。
ベッドは別だったが、同じ寝室にいるスネークを起こしてしまわないように、眠れない事は分かっていたが、ジャックは目を閉じた。
……外は吹雪いているのかな……。風の音が微かに聞こえる。ジャックは出来るだけ外の雪や犬達の事を考えるようにした。
何故、目が覚めるのかは分かっている……。
汗塗れになって、目が覚めるのは……、嫌な夢を見るからだ。自分の過去を全て取り戻してから、ジャックはその過去を夢に見るようになった。知らずにいた頃は、漠然と嫌な夢を見たと感じるだけだったが、今ではあれがどんな事だったのかはっきりと分かる……。
苛まれているのは過去の自分であって、現在の自分とは無関係と言ってもいいのだが……、ジャックは過去の自分を救い出せない自分が幸せになっていいものかと思ってしまう事があった。どちらもジャックであり、悲惨な過去から立ち直ったと言う事なのだが、彼の中では過去の自分と現在の自分が分断されているように感じるのだ。
子供のジャックは、いつも今のジャックの中で声にならない声で泣いている。叫ぶ事も泣く事も諦めていた頃のジャックが、今も彼の中にはいるのだ。
もう、苛まれるような事は無い……。守る必要があるなら、彼は自分自身を守る事が出来るまでに成長している。戦う必要があるなら、彼は自分の力で戦う事が出来るのだ。ただ、苛まれるだけの子供では無い。
ジャックが望んだ愛情も、今はスネークが与えてくれる。過剰とも思えるほどの熱烈さで、スネークはジャックを愛してくれていた。肉体的な繋がりだけでなく、スネークはいつもジャックを支えてくれた。
愛している……。スネークの瞳は、いつもジャックにそう言っていた。
何か不足しているわけでもない。何かの脅威を感じるわけでもない。
強いて言うならば、何事もない平穏な日々にジャックは慣れていないのだ。
穏やかな生活。雪に閉ざされた不便などは、かえって煩わしさから解放されたと感じる。ジャックは人の中にいる方が疲れてしまうのだ。自分はおかしく見えないだろうか、人ごみの中でも溶け込んでいられるだろうか、ここでならそんな事に気を使わなくていい。
他者との関わりが増えれば、それだけ彼は自制を強いられる。彼の中の獣が、咆哮を上げないように常に気をつけていなければならない。
ジャックは不意に背中を包み込んだ暖かさに、思わず飛び上がりそうになった。
「…スネーク…?」
モスレムの香がジャックを包み込んでいた。
「目が覚めたら、眠れなくてな」
スネークの手が、ブランケットを掻い潜ってジャックの肌に触れた。
「一人で起きてるのもつまらん。少し、付き合え」
暖かい掌に鎖骨から胸肌を撫でられ、ジャックの緊張が解けた。
ジャックは寝返りを打つと、スネークの腕の中に収まった。
ここが、安全な場所なのだと、スネークの腕は教えてくれる……。あやすようなスネークの手が、ジャックの背を撫でた。
髭の伸び始めたスネークの顎にキスすると、スネークはジャックの額にキスを返す。
傷つけあうのではない。……傷を舐めあうのでも無い。
ハグにはハグで、キスにはキスで……、それだけで良かったのだ。
「吹雪いてるな……」
窓を揺らす風に、スネークの低い声が言った。
「明日は雪掻きだな」
ジャックがスネークの肩に顔を埋めるように言った。
「ああ、冬は忙しくて仕方ないな」
だが、スネークもそうしたドメスティックな作業が好きなようだった。犬の世話、雪掻き、大工仕事、日々の食事の支度や洗濯、そうした作業は、皆が至極当たり前に行うものだが、そんな事も出来ないような世界もあるのだ。
「雪掻きが終わったら、サウナのキットを組み立てようと思うんだ。手伝ってくれよな」
「うん」
ジャックも少しずつスネークの手伝いをするようになっていた。人として当たり前の暮らし、そんなものとは無縁だったジャックには、スネークのする事の全てが新しい驚きだった。
「明日は雪を掻いて、サウナを組み立てて……夕食の後には、サウナに入って……」
スネークの唇が、ジャックの耳を噛むようにして言った。
「のんびりセックスもしよう」
まるでそれを少し贅沢なディナーのように言うスネークの口調が面白くなって、ジャックはその腕の中でくすくすと笑った。
「俺は今からせっかちにするのも嫌じゃない」
笑いながらジャックが言うと、スネークはジャックの項に口づけた。
「そいつも悪くないな」
……そうだ。叫ぶ必要なんかないんだ……。ジャックはスネークの背を抱きながら思った。
笑うだけでいいんだ。叫ばなければいられないような澱は、もう自分の中に溜まってはいない。
ジャックは暖かい腕の中で、微笑んだ。
もう、一人では無いのだ。
「…スネーク、愛してるよ」
叫ばなくても、聞きとってくれる人はこんなにも近くにいる。
「ああ、奇遇だな。俺もだ」
キスにはキスで、愛の言葉に愛の言葉で……、手を伸ばすだけで届くところに、ジャックの愛する男はいた。
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