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拍手下さった方、ありがとうございます!
お題、始めてみました。
01:たたく
02:つねる
03:噛む
04:叫ぶ
05:口の端が切れた
06:ひっぱる
07:殴られた
08:泣きわめく
09:抵抗する
10:鼻血
11:マウントポジション
12:立てない
13:徹底的に
配布元様:ボコ題
シリーズで書いているものとは、別次元のお話になる予定です。
↓お題1つ目はスネオタです。
お題、始めてみました。
01:たたく
02:つねる
03:噛む
04:叫ぶ
05:口の端が切れた
06:ひっぱる
07:殴られた
08:泣きわめく
09:抵抗する
10:鼻血
11:マウントポジション
12:立てない
13:徹底的に
配布元様:ボコ題
シリーズで書いているものとは、別次元のお話になる予定です。
↓お題1つ目はスネオタです。
一人でいる事は何でもない事だった。
誰かが一緒にいたとしても、それは同じ時間同じ空間にいると言う事だけだ。気持までが同じ場所にいる事などは無いのだから、他人といても一人でいても同じ事だと思っていた。
オタコンはラップトップを閉じて、眼鏡を外すと首を回した。重い疲労感を感じる、かと言ってそれほど熱中して作業をしていたわけでもない。ルーティンワークになっている警戒、入るべき場所に入り、見るべき情報を見ているだけだ。自分達に差し迫った脅威は無い。
自分達。そこなのだ。オタコンは人生で初めてと言っていいようなチームを組んでいる。学校や仕事のように便宜上のチームでは無い。お互いの人生を預け合うチームだ。
人生を共有する相手を得た事で、オタコンは孤独を感じるようになった。
今までは平気でいた事が、寂しくて仕方がない。寂しいなどと言うのは随分と子供じみた事だと思うが、そう感じてしまう。
スネークは勿論遊び歩いているわけではない。スネークはセーフハウスを回って、それぞれの家に届いている郵便物や宅配物を回収している。二人が始めたフィランソロピーは、ある種の人々にとっては脅威となっている。この活動の為に、スネークが臨時合衆国雇いになる事は無くなったが、邪魔者として排除されないとは言い切れない。その他にも、メタルギアを破壊された途上国家からはお尋ね者として手配もされている。オタコンにした所で、ネット犯罪の罪状を上げれば、枚挙の暇も無いのだ。逃げ回るほどでは無かったが、一か所に腰を落ち着けて暮らす事は不可能だった。その為に、二人はカナダ、アラスカ、ヨーロッパの一部の国に家を借りる事にした。どこも定住を考えての場所では無い。メールでの連絡の危険がある場合などに、人に会ったり郵便を受け取る為の場所が必要なのだった。
それらの家は、家であって家では無かった。すべてが職場と言っても差支えないだろう。
どこにいても落ち着くと言う事は無かったが、お互いの中に居場所は見つけ出していた。漂泊するからこそなのかもしれないが、人慣れしないオタコンも、いつしかスネークの為に心の片隅を明け渡すようになっていた。
……僕だけなのかな……。
ティーカップを取り上げて、オタコンは冷めた紅茶を飲みほした。
スネークは変わる事無くオタコンに接する。シャドーモセスを脱出した時も、スネークのアラスカの家にいた時も、ベッドを共にするようになっても、一切変わる事は無かった。肉体関係が出来た事で、何か変化があるとも思っていなかったが、オタコンは自分だけがスネークを見るのが気恥ずかしかったり、ちょっとした一言に喜んだりしているのかと思うと余計に寂しくなった。
最初から、二人では無かったのか……。
独りと独りが同じ部屋の中にいるだけで、二人では無かったのだろうか……。
オタコンには判らなかった。独りじゃ無かった事なんて、オタコンには無かった。子供の頃から、オタコンは自分の中に世界を作るような所があった。誰かとの関係の上に世界を作る事は、ほとんどの場合出来なかった。今までに関係のあった女性達も、そんなオタコンに冷めてしまったのかもしれない。
今ならば、オタコンにも判った。彼女達の寂しさが。
二人でいても、独りの中に閉じこもるオタコンに対して、彼女達がどんな気持ちを持っていたのか……。そんな風に思う事を、自分の弱さ女々しさと片付ける事は簡単だったが、そうではないのだとオタコンは思った。
スネークは、オタコンが初めて自分の心の中に踏み込ませた人間だ。誰ともそんな風な繋がりを持った事はない。
新しい紅茶を淹れる為に、オタコンは立ち上がった。
窓の外が夕暮れの薄いラベンダー色になっていた。
黄昏、そんな時間だから、余計に寂しくなってしまうのだろうか……。
オタコンはカップを置いて、デスクに置いた携帯を取り上げた。
スネークの所は、今は何時何だろう……。考える前にボタンを押していた。
3回コールして、出なかったら切ろう。
1回。
夜中だったかな…時差は何時間だったかな……。
2回。
寝ていたら、迷惑だったかもしれない…。
3回目のコールの途中で、オタコンの良く知る声が聞こえた。
『どうした?俺がいなくて寂しいか?』
からかうような軽い感じの声だった。
「…うん、スネーク…僕独りじゃ寂しいよ……」
一緒にいるからと言って、スネークに甘えていいとは思っていなかった。けれど、言葉にして伝えなければ、判らない事はたくさんある。黙っていて、相手に察してもらおうなんて、それこそが甘えだ。
「あのね……ほんとに、僕、すごく寂しいよ」
自分の心に、固く錠を下ろした扉があれば、相手の鍵も同じだけ固くなる。
絶えずノックし続けなければ、どちらの扉も閉ざされてしまうかもしれないのだ。
『すぐに帰るよ。メイ・リンからハロウィンのカードとチョコレートが届いてたんだ。それを持って、すぐに帰る』
独りと独りでは無く、二人になる為に。
「うん、待ってる」
オタコンはスネークの扉をノックし続ける。
誰かが一緒にいたとしても、それは同じ時間同じ空間にいると言う事だけだ。気持までが同じ場所にいる事などは無いのだから、他人といても一人でいても同じ事だと思っていた。
オタコンはラップトップを閉じて、眼鏡を外すと首を回した。重い疲労感を感じる、かと言ってそれほど熱中して作業をしていたわけでもない。ルーティンワークになっている警戒、入るべき場所に入り、見るべき情報を見ているだけだ。自分達に差し迫った脅威は無い。
自分達。そこなのだ。オタコンは人生で初めてと言っていいようなチームを組んでいる。学校や仕事のように便宜上のチームでは無い。お互いの人生を預け合うチームだ。
人生を共有する相手を得た事で、オタコンは孤独を感じるようになった。
今までは平気でいた事が、寂しくて仕方がない。寂しいなどと言うのは随分と子供じみた事だと思うが、そう感じてしまう。
スネークは勿論遊び歩いているわけではない。スネークはセーフハウスを回って、それぞれの家に届いている郵便物や宅配物を回収している。二人が始めたフィランソロピーは、ある種の人々にとっては脅威となっている。この活動の為に、スネークが臨時合衆国雇いになる事は無くなったが、邪魔者として排除されないとは言い切れない。その他にも、メタルギアを破壊された途上国家からはお尋ね者として手配もされている。オタコンにした所で、ネット犯罪の罪状を上げれば、枚挙の暇も無いのだ。逃げ回るほどでは無かったが、一か所に腰を落ち着けて暮らす事は不可能だった。その為に、二人はカナダ、アラスカ、ヨーロッパの一部の国に家を借りる事にした。どこも定住を考えての場所では無い。メールでの連絡の危険がある場合などに、人に会ったり郵便を受け取る為の場所が必要なのだった。
それらの家は、家であって家では無かった。すべてが職場と言っても差支えないだろう。
どこにいても落ち着くと言う事は無かったが、お互いの中に居場所は見つけ出していた。漂泊するからこそなのかもしれないが、人慣れしないオタコンも、いつしかスネークの為に心の片隅を明け渡すようになっていた。
……僕だけなのかな……。
ティーカップを取り上げて、オタコンは冷めた紅茶を飲みほした。
スネークは変わる事無くオタコンに接する。シャドーモセスを脱出した時も、スネークのアラスカの家にいた時も、ベッドを共にするようになっても、一切変わる事は無かった。肉体関係が出来た事で、何か変化があるとも思っていなかったが、オタコンは自分だけがスネークを見るのが気恥ずかしかったり、ちょっとした一言に喜んだりしているのかと思うと余計に寂しくなった。
最初から、二人では無かったのか……。
独りと独りが同じ部屋の中にいるだけで、二人では無かったのだろうか……。
オタコンには判らなかった。独りじゃ無かった事なんて、オタコンには無かった。子供の頃から、オタコンは自分の中に世界を作るような所があった。誰かとの関係の上に世界を作る事は、ほとんどの場合出来なかった。今までに関係のあった女性達も、そんなオタコンに冷めてしまったのかもしれない。
今ならば、オタコンにも判った。彼女達の寂しさが。
二人でいても、独りの中に閉じこもるオタコンに対して、彼女達がどんな気持ちを持っていたのか……。そんな風に思う事を、自分の弱さ女々しさと片付ける事は簡単だったが、そうではないのだとオタコンは思った。
スネークは、オタコンが初めて自分の心の中に踏み込ませた人間だ。誰ともそんな風な繋がりを持った事はない。
新しい紅茶を淹れる為に、オタコンは立ち上がった。
窓の外が夕暮れの薄いラベンダー色になっていた。
黄昏、そんな時間だから、余計に寂しくなってしまうのだろうか……。
オタコンはカップを置いて、デスクに置いた携帯を取り上げた。
スネークの所は、今は何時何だろう……。考える前にボタンを押していた。
3回コールして、出なかったら切ろう。
1回。
夜中だったかな…時差は何時間だったかな……。
2回。
寝ていたら、迷惑だったかもしれない…。
3回目のコールの途中で、オタコンの良く知る声が聞こえた。
『どうした?俺がいなくて寂しいか?』
からかうような軽い感じの声だった。
「…うん、スネーク…僕独りじゃ寂しいよ……」
一緒にいるからと言って、スネークに甘えていいとは思っていなかった。けれど、言葉にして伝えなければ、判らない事はたくさんある。黙っていて、相手に察してもらおうなんて、それこそが甘えだ。
「あのね……ほんとに、僕、すごく寂しいよ」
自分の心に、固く錠を下ろした扉があれば、相手の鍵も同じだけ固くなる。
絶えずノックし続けなければ、どちらの扉も閉ざされてしまうかもしれないのだ。
『すぐに帰るよ。メイ・リンからハロウィンのカードとチョコレートが届いてたんだ。それを持って、すぐに帰る』
独りと独りでは無く、二人になる為に。
「うん、待ってる」
オタコンはスネークの扉をノックし続ける。
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