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拍手下さった方、ありがとうございますv
↓うちとけないジャックです
スネークをいやってほど甘くていい男にしたいです……
↓うちとけないジャックです
スネークをいやってほど甘くていい男にしたいです……
朝食を済ませたジャックは、スネークに付き添われてリハビリを始めた。神経も血管も繋がなければならなかった右足は、まだ他人の物のように感じる。
床から平行に設置したバーに両腕をかけ、なるべく両足に同じように体重がかかるように立つ。たったそれだけの事が、今のジャックには至難の業なのだ。
「無理に歩こうとするな。左足も筋力が衰えている」
少しでも前に進むような動作をすると、すかさずスネークに指摘された。
「…松葉杖でも俺は構わないが……」
スネークがここに来て以来、二人の間にこの会話は何度も交された。ジャックはもう軍に戻るつもりもないし、歩けなくなったところで支障は無いと言うが、スネークはある機能ならば使わなければいけないと言う。堂々巡りに疲れたジャックが折れて、この話はいつも終わるのだが……。
「ジャック」
「…あんたにも迷惑をかけなくて済む……」
ジャックはスネークに来て欲しいとは言わなかった……。ここの安全性について聞ければ、それだけでいいと思っていた。スネークにそう言うと、彼は眉を寄せて鋭い目つきになった。
「ジャック。本当にそう思うのか?」
じっと見つめられて、ジャックは目を逸らした。
「歩けなくていい。この先どうなっても構わない…、一人きりでいい……。本当にそう思っていたなら、俺に連絡をしなかった筈だ」
ジャックが自分で言うように自暴自棄になっているなら、きっとスネークに連絡を取る事は無かった。
……一人になりたくない……。それは口よりも、ジャックの瞳が強く語っていた。
「…俺は、お前を一人にしていたくない……」
「スネーク……」
ジャックが目を上げた。
ビッグシェルで、ジャックはスネークと関係を持った。短期間の単独潜入任務であり得ない事だったが、ジャックはスネークを知りたかったのだ……。体内のナノマシンのせいで過去の記憶を封印されていたジャックだったが、…それは彼の悲しい習い性だった……。人を懐柔するためにも、油断を誘う為にも、味方を作る為にも……、彼はずっと自分の体を使ってきた。リベリアで白い悪魔と恐れられた少年兵は、合衆国に保護されても、さほどに幸福な人生を歩いては来なかった。まだ若いと言っていいジャックだが、彼の精神は老人のように疲弊していた。
「お前が自分の為に歩きたくなくても、…俺の為に歩いてくれ」
スネークの腕に抱きしめられ……、ジャックの目は何度も瞬きを繰り返した。
「…ビッグシェルの事なら…あんたが責任を感じる事じゃない……」
少し掠れたジャックの声が言うと、その唇をスネークは塞いだ。それは親愛の情を示すと言うより、もっと強い欲情を伴うようなキスだった。
ジャックが身を反らせてスネークの腕を逃れようとすると、その腕はより強く彼を抱き締めた。腕から逃れるのを諦めたジャックが首を振ると、スネークの唇はそれを追いかけて何度もキスを繰り返した。
「……ふ…んっ……」
ジャックが息苦しさに口を開くと、スネークの舌が滑り込んだ。
「ぅんっ…」
歯列をなぞるように舐め、スネークの舌がジャックの舌を追いかけて絡めた。
…まるで恋人同士のような熱烈なキス。ジャックはそのキスに溺れそうになったが、…スネークの思いが恋では無い事を知っていた……。スネークは傷ついた者に同情する……。ビッグシェルでの事でも、責任を感じている……。ジャックは自分だけが溺れる恋が、怖かった。
返ってくる事の無い思い……。どれほど恋焦がれても、振り向いてもらえなかった思いが、ジャックの人間関係を臆病にしていた。命も省みないような忠誠を捧げ、願った思いも……ジャックは裏切りでしか応えてもらえなかった。
自分の手で決着を付けても、ソリダスの影はジャックの中に色濃く残っていた。
「…ジャック…」
口づけを解かれて、ジャックは目を伏せた。
信じたら……馬鹿を見るのは自分だ……。
ジャックもスネークを信じたかった。…スネークの愛情を、信じたかった……。中途半端な気持ちでスネークがこんなところまで来たとは思えない……、だが、ジャックは不安になるのだ。
自分は永遠に捨て子なのだと思う……。殺された両親との記憶もジャックには無かったが、その後の人生で彼は家族を持つ事は無かった…。暴力と凌辱に満ちた少年時代、殺戮者としての人生、家族を持つ事が出来ると思った女性も機械が生み出した幻影だった。美しく強気で、親密な間柄の男性にはコケティッシュと思えるような媚態も見せるローズ、彼女はジャックのアニマであったのかもしれない……。
「ジャック…」
伏せたジャックの頭を、スネークが胸に抱えた。温かい体温と、力強い鼓動がジャックを包み込んだ。
床から平行に設置したバーに両腕をかけ、なるべく両足に同じように体重がかかるように立つ。たったそれだけの事が、今のジャックには至難の業なのだ。
「無理に歩こうとするな。左足も筋力が衰えている」
少しでも前に進むような動作をすると、すかさずスネークに指摘された。
「…松葉杖でも俺は構わないが……」
スネークがここに来て以来、二人の間にこの会話は何度も交された。ジャックはもう軍に戻るつもりもないし、歩けなくなったところで支障は無いと言うが、スネークはある機能ならば使わなければいけないと言う。堂々巡りに疲れたジャックが折れて、この話はいつも終わるのだが……。
「ジャック」
「…あんたにも迷惑をかけなくて済む……」
ジャックはスネークに来て欲しいとは言わなかった……。ここの安全性について聞ければ、それだけでいいと思っていた。スネークにそう言うと、彼は眉を寄せて鋭い目つきになった。
「ジャック。本当にそう思うのか?」
じっと見つめられて、ジャックは目を逸らした。
「歩けなくていい。この先どうなっても構わない…、一人きりでいい……。本当にそう思っていたなら、俺に連絡をしなかった筈だ」
ジャックが自分で言うように自暴自棄になっているなら、きっとスネークに連絡を取る事は無かった。
……一人になりたくない……。それは口よりも、ジャックの瞳が強く語っていた。
「…俺は、お前を一人にしていたくない……」
「スネーク……」
ジャックが目を上げた。
ビッグシェルで、ジャックはスネークと関係を持った。短期間の単独潜入任務であり得ない事だったが、ジャックはスネークを知りたかったのだ……。体内のナノマシンのせいで過去の記憶を封印されていたジャックだったが、…それは彼の悲しい習い性だった……。人を懐柔するためにも、油断を誘う為にも、味方を作る為にも……、彼はずっと自分の体を使ってきた。リベリアで白い悪魔と恐れられた少年兵は、合衆国に保護されても、さほどに幸福な人生を歩いては来なかった。まだ若いと言っていいジャックだが、彼の精神は老人のように疲弊していた。
「お前が自分の為に歩きたくなくても、…俺の為に歩いてくれ」
スネークの腕に抱きしめられ……、ジャックの目は何度も瞬きを繰り返した。
「…ビッグシェルの事なら…あんたが責任を感じる事じゃない……」
少し掠れたジャックの声が言うと、その唇をスネークは塞いだ。それは親愛の情を示すと言うより、もっと強い欲情を伴うようなキスだった。
ジャックが身を反らせてスネークの腕を逃れようとすると、その腕はより強く彼を抱き締めた。腕から逃れるのを諦めたジャックが首を振ると、スネークの唇はそれを追いかけて何度もキスを繰り返した。
「……ふ…んっ……」
ジャックが息苦しさに口を開くと、スネークの舌が滑り込んだ。
「ぅんっ…」
歯列をなぞるように舐め、スネークの舌がジャックの舌を追いかけて絡めた。
…まるで恋人同士のような熱烈なキス。ジャックはそのキスに溺れそうになったが、…スネークの思いが恋では無い事を知っていた……。スネークは傷ついた者に同情する……。ビッグシェルでの事でも、責任を感じている……。ジャックは自分だけが溺れる恋が、怖かった。
返ってくる事の無い思い……。どれほど恋焦がれても、振り向いてもらえなかった思いが、ジャックの人間関係を臆病にしていた。命も省みないような忠誠を捧げ、願った思いも……ジャックは裏切りでしか応えてもらえなかった。
自分の手で決着を付けても、ソリダスの影はジャックの中に色濃く残っていた。
「…ジャック…」
口づけを解かれて、ジャックは目を伏せた。
信じたら……馬鹿を見るのは自分だ……。
ジャックもスネークを信じたかった。…スネークの愛情を、信じたかった……。中途半端な気持ちでスネークがこんなところまで来たとは思えない……、だが、ジャックは不安になるのだ。
自分は永遠に捨て子なのだと思う……。殺された両親との記憶もジャックには無かったが、その後の人生で彼は家族を持つ事は無かった…。暴力と凌辱に満ちた少年時代、殺戮者としての人生、家族を持つ事が出来ると思った女性も機械が生み出した幻影だった。美しく強気で、親密な間柄の男性にはコケティッシュと思えるような媚態も見せるローズ、彼女はジャックのアニマであったのかもしれない……。
「ジャック…」
伏せたジャックの頭を、スネークが胸に抱えた。温かい体温と、力強い鼓動がジャックを包み込んだ。
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