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拍手下さった方、ありがとうございますv
↓オタコンはガリガリだといい……
↓オタコンはガリガリだといい……
デスクの引き出しを手探りに探していたオタコンの動きが止まった。目当ての物が見つからないらしく、引き出しの中を覗いてみたが、…やはり、そこにチョコレートバーは無かった。買い置きが終わっているらしかった。
何か代用になる物を思い浮かべてみたが、スネークが留守で買い物にも行っていなかった為に、何も思い浮かばなかった。スネークがいれば、どんな魔法を使うのか、今キッチンにあるだけの材料で、何かしらオタコンの喜びそうな物を作ってくれるのだが……。
食べようと思っていた物が無いと、余計に食べたくなるもので……、オタコンはラップトップを閉じると立ち上がった。
ダッフルコートを手に、オタコンは近所のドラッグストアに行こうとしていた。いつもは郊外型の大型店舗に行くのだが、今日はスネークが帰る予定の日だ。留守中に帰って来てしまわないように……、自然にそんな事を考えてしまう自分に、オタコンは驚いた。
他人への依存は低い方だと思っていたオタコンはそんな自分に驚きながらも、やはり、スネークが帰った時に家にいたいと思った。
近所のドラッグストアは、時折前を通るくらいで寄った事は無かったのだが、オタコンの目当ての物は直ぐに見つかった。真っ赤な大きい袋に入ったチョコレートバー。それを幾つか手に取って、オタコンは少しほっとした。
スネークが心配するほど、オタコンは小食では無い。むしろ、野生動物のように食べ溜めが利くスネークの方が食べない時には食べないのだ。オタコンは筋肉がカロリーを欲しがると言うよりは、頭脳労働で異常に糖質を消費するタイプらしい。手首の骨が大きく見えるほど細いオタコンの腕からは、お菓子だけで一日に1000キロ以上のカロリーを摂取しているとは思えないが、実際にそのくらい食べてしまうのだ。それほど食べても、時々低血糖の貧血を起こす。スネークには信じらない体なのだそうだ。
チョコレートバーを買い込んで、オタコンがアパートに戻ると、確かに消していった電気が点いていた。灯りを見て、一瞬緊張したオタコンだったが、僅かに香ったモスレムの匂いに肩の力を抜いた。
「スネーク」
やはり遠くのショッピングモールまで行かなくて良かった…、そう思いながらリビングに入ったオタコンは、持っていた紙袋を床に落としてしまった。
「おいおい、何をそんなに買い込んで……オタコン…?」
スネークが紙袋を拾おうと近付くと、オタコンが後ずさった。
「……僕に嘘を吐いたの…」
「?…何の事だ?」
自分の身を庇うように肩を抱いて後ずさるオタコンを見るスネークの眼は、本当に困惑しているようだった。
「おい」
「どうして管理人を雇うのに怪我をするんだよ!」
初めはモスレムの匂いしか感じなかったが、…スネークからはアクリノールを解いたのか、僅かにエタノールの匂いと湿布薬の匂いが混じってしていた。
「怪我って、そんな大したもんじゃない」
「…そうだよね、君は怪我をするのが仕事だものね。僕たちが大怪我と思う事もきっとかすり傷なんだよね」
オタコンは近付いてきたスネークの腕をすり抜けると、自分の部屋に駆け込んだ。
「おい、話をちゃんと聞けよ」
追って行ったスネークの鼻先で、ドアは閉まった。ガチャガチャと音がしているのは、オタコンが鍵を掛けているのだ。
「オタコン」
無駄と知りながら声を掛けてみるが、…返事は無い。
少しオタコンの頭が冷えてから話そうと、スネークはそのドアの前に座った。
オタコンの方は、鍵を閉めると閉じていたラップトップとは別のラップトップを出して、デスクから取り出した携帯電話に繋いでいた。これはアパートに接続しているプロバイダを通したく無い時に使う、いわば非常用の回線なのだが……、オタコンはその非常用回線を使わなければならない所に侵入しようとしていた。
スネークに仕事を依頼できる人間は限られている。…そして、個人的にスネークに仕事を依頼するような人間はその中にはいない。スネークが自分の知らない誰かの依頼で仕事をしたのでなければ、オタコンにも突き止める事はできそうだった。
……僕は踏み出したつもりだったのに………。
忙しなくキーボードを操作しながら、オタコンは悲しい気持ちになっていた。恋人になりたいのだと、体だけでは無く心での繋がりを求めた自分を、スネークは受け入れてくれたのだと思っていた。
……ねぇ、ウルフ…どうして人は嘘を吐いて生きるの…?………。
そんな事は、オタコンにも判っていたが……、今はいないその美しい人に尋ねずにはいられなかった。
何か代用になる物を思い浮かべてみたが、スネークが留守で買い物にも行っていなかった為に、何も思い浮かばなかった。スネークがいれば、どんな魔法を使うのか、今キッチンにあるだけの材料で、何かしらオタコンの喜びそうな物を作ってくれるのだが……。
食べようと思っていた物が無いと、余計に食べたくなるもので……、オタコンはラップトップを閉じると立ち上がった。
ダッフルコートを手に、オタコンは近所のドラッグストアに行こうとしていた。いつもは郊外型の大型店舗に行くのだが、今日はスネークが帰る予定の日だ。留守中に帰って来てしまわないように……、自然にそんな事を考えてしまう自分に、オタコンは驚いた。
他人への依存は低い方だと思っていたオタコンはそんな自分に驚きながらも、やはり、スネークが帰った時に家にいたいと思った。
近所のドラッグストアは、時折前を通るくらいで寄った事は無かったのだが、オタコンの目当ての物は直ぐに見つかった。真っ赤な大きい袋に入ったチョコレートバー。それを幾つか手に取って、オタコンは少しほっとした。
スネークが心配するほど、オタコンは小食では無い。むしろ、野生動物のように食べ溜めが利くスネークの方が食べない時には食べないのだ。オタコンは筋肉がカロリーを欲しがると言うよりは、頭脳労働で異常に糖質を消費するタイプらしい。手首の骨が大きく見えるほど細いオタコンの腕からは、お菓子だけで一日に1000キロ以上のカロリーを摂取しているとは思えないが、実際にそのくらい食べてしまうのだ。それほど食べても、時々低血糖の貧血を起こす。スネークには信じらない体なのだそうだ。
チョコレートバーを買い込んで、オタコンがアパートに戻ると、確かに消していった電気が点いていた。灯りを見て、一瞬緊張したオタコンだったが、僅かに香ったモスレムの匂いに肩の力を抜いた。
「スネーク」
やはり遠くのショッピングモールまで行かなくて良かった…、そう思いながらリビングに入ったオタコンは、持っていた紙袋を床に落としてしまった。
「おいおい、何をそんなに買い込んで……オタコン…?」
スネークが紙袋を拾おうと近付くと、オタコンが後ずさった。
「……僕に嘘を吐いたの…」
「?…何の事だ?」
自分の身を庇うように肩を抱いて後ずさるオタコンを見るスネークの眼は、本当に困惑しているようだった。
「おい」
「どうして管理人を雇うのに怪我をするんだよ!」
初めはモスレムの匂いしか感じなかったが、…スネークからはアクリノールを解いたのか、僅かにエタノールの匂いと湿布薬の匂いが混じってしていた。
「怪我って、そんな大したもんじゃない」
「…そうだよね、君は怪我をするのが仕事だものね。僕たちが大怪我と思う事もきっとかすり傷なんだよね」
オタコンは近付いてきたスネークの腕をすり抜けると、自分の部屋に駆け込んだ。
「おい、話をちゃんと聞けよ」
追って行ったスネークの鼻先で、ドアは閉まった。ガチャガチャと音がしているのは、オタコンが鍵を掛けているのだ。
「オタコン」
無駄と知りながら声を掛けてみるが、…返事は無い。
少しオタコンの頭が冷えてから話そうと、スネークはそのドアの前に座った。
オタコンの方は、鍵を閉めると閉じていたラップトップとは別のラップトップを出して、デスクから取り出した携帯電話に繋いでいた。これはアパートに接続しているプロバイダを通したく無い時に使う、いわば非常用の回線なのだが……、オタコンはその非常用回線を使わなければならない所に侵入しようとしていた。
スネークに仕事を依頼できる人間は限られている。…そして、個人的にスネークに仕事を依頼するような人間はその中にはいない。スネークが自分の知らない誰かの依頼で仕事をしたのでなければ、オタコンにも突き止める事はできそうだった。
……僕は踏み出したつもりだったのに………。
忙しなくキーボードを操作しながら、オタコンは悲しい気持ちになっていた。恋人になりたいのだと、体だけでは無く心での繋がりを求めた自分を、スネークは受け入れてくれたのだと思っていた。
……ねぇ、ウルフ…どうして人は嘘を吐いて生きるの…?………。
そんな事は、オタコンにも判っていたが……、今はいないその美しい人に尋ねずにはいられなかった。
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