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拍手下さった方、ありがとうございますv
↓久しぶりにプリ雷です
…プリスキンにサプレッサーをもらうヘタレプレーヤーなので……、つられて雷電もへたれています
↓久しぶりにプリ雷です
…プリスキンにサプレッサーをもらうヘタレプレーヤーなので……、つられて雷電もへたれています
雷電は止血出来る場所を探して通路を歩いていた。ファットマンを倒し、爆弾を解除する事は出来たが、雷電は脇腹に浅くは無い傷を負っていた。直ぐに止血帯を巻きたいのだが、サイファーのい無い所には巡回の兵士がいる。今は戦闘で切り抜ける事はしない方が賢明だろう。青白くなった頬を緊張に強張らせ、雷電は隠れられる場所を探していた。
……プリスキンはどうしただろう……。ファットマンとの戦闘中は無線で交信出来たが、今は呼びかけても返事がない。あの図太そうな男ならば、そう容易く殺されるような事は無いだろうが……。
雷電の足元がぐらりと揺れた。
「……」
壁に手を突いて転倒は免れたが、揺れたのは床では無く自分の身体の方だと気付いて、雷電は深くゆっくりとした呼吸を繰り返した。傷は思った以上に深いようだ。脇腹を手で探ると、スニーキングスーツの表面から血が流れ出している。まだ床に垂れる程では無いが、このまま出血し続ける事は避けたい。
呼吸を整えて歩きだした雷電の目にロッカーが見えた。
通路の突き当たり、角にある為に通路のどちら側からも見えてしまうのが難点だったが、今は他を当たるゆとりは無い。急いで止血をして体力を回復しなければ……、雷電はロッカーの一つに身を隠した。
ロッカーの中で雷電はスニーキングスーツのファスナーを下ろした。脇腹の傷はやはり深いようで、スーツの中に少し血が溜まっていた。
上半身を脱いで、簡単に消毒すると圧迫するようにきつめに止血帯を巻きつけた。
「……く……」
腕を上げて止血帯を巻いている雷電の額に、汗の粒が浮かんだ。
…VRで訓練はした……。負傷に備えて訓練はしてあるが、『実際に傷を負う』のは初めてだった。雷電の肌には今付いたばかりの脇腹の傷以外何の傷も無かった。
…脇腹の傷の上に、体に巻きついたリボンのようなタトゥーがある……。腕にも、腿にも同じようなタトゥーがあるのだが、雷電はいつこれを入れたのか覚えが無かった。初めてローズと寝た時に、タトゥーを入れた覚えがないと言うと、ローズはVRの弊害かも知れないから調べると言ってくれたのだが……まだ答えは聞いていなかった…。
雷電はロッカーの中にしゃがみ込んだ。レーションがあれば良かったのだが、レーションも無かった。
……少し休めれば……。
ビッグシェルに救援は無い。このミッションは雷電一人でこなさなければならないのだ。孤立無援の中で、この負傷は痛かった。
冷たいロッカーの中で、雷電が小さく溜息を吐いた。
もう一度プリスキンに無線を入れてみようか……、あの男も信頼できるとは言い難かったが、巡廻の兵士の目を逃れる所を知っているかも知れない……。
意識を保とうとする雷電だったが、止血の時に使った痛み止めの為なのか、考えようとするのだがそれは纏まる前に指の間を落ちる砂のように消えて行った。
「………」
スカルスーツを戻そうとして、雷電の動きが止まった。
ロッカーの前に人の気配がある……。座り込んでいなければ、何者か判るのだが……。しかし、どちらにしろこの場所では敵の兵士以外にいないのだ、判った所で意味は無い。
足音は無かった……。何人かで来たのならば、足音は聞こえたはずだ。雷電はソーコムを構えた。
一人ならば……。サプレッサーを装備したソーコムは、プリスキンに渡された物だった。
「…おい。撃つなよ」
一瞬、引鉄を引きそうになった雷電の腕が下がった。
ロッカーを開けたのは、プリスキンだった。
プリスキンは座り込んでいた雷電の腕を取った。
「…っ」
体を引き上げられて、雷電が眉を顰めた。
「しばらく我慢をしていろ」
プリスキンは雷電を抱えるようにして、ロッカーから出た。どこかに連れて行かれる…、雷電はそう思ったが、口を利くのさえ億劫でただプリスキンに寄り掛かって足だけを動かしていた。
スカルスーツを脱いでいる為に、体に力が入らなかった。止血をするまでは気が張っていた事もあるが、外から筋肉を補助する物が無い為に、雷電はプリスキンに縋るようにして歩くしかなかった。
脚部を下りて、どこか倉庫のような所に連れて行かれた。野菜の入ったダンボールの入った棚に囲まれた所に雷電は座らされた。
「止血は済ませたんだな?」
傷を確かめたプリスキンに、雷電は小さく頷いた。
「…プリスキン……」
……こんな光景を知っているような気がした……。痛みを感じる体を見下ろしたのは…、その時もこの男だったような気がする。
タトゥー……。雷電はプリスキンの顔をよく見ようとした。
「おいおい、こんなとこでそんな顔は無しだ」
プリスキンは眼のやり場に困ったように顔を背けた。
血の気が引いて尚更白くなった雷電の顔の中で、…熱があるように潤んだ瞳がプリスキンの顔の上を彷徨っている。見詰められる以上に、どこか危うさを持った雷電の瞳を、プリスキンは直視出来なかった。
「……来て……」
雷電を棚に寄り掛からせて下がろうとしたプリスキンの腕を、雷電が掴んだ。子供のように舌足らずな声は、先ほど話した時の雷電とは別人のようだった。
訝しく思いながらプリスキンが覗きこむと、…熱く潤んだ瞳が縋るように見上げていた。
「来て…」
冷たい泉のように見えた雷電の瞳だったが……、今はプリスキンを捕えて放す事は無かった。
……プリスキンはどうしただろう……。ファットマンとの戦闘中は無線で交信出来たが、今は呼びかけても返事がない。あの図太そうな男ならば、そう容易く殺されるような事は無いだろうが……。
雷電の足元がぐらりと揺れた。
「……」
壁に手を突いて転倒は免れたが、揺れたのは床では無く自分の身体の方だと気付いて、雷電は深くゆっくりとした呼吸を繰り返した。傷は思った以上に深いようだ。脇腹を手で探ると、スニーキングスーツの表面から血が流れ出している。まだ床に垂れる程では無いが、このまま出血し続ける事は避けたい。
呼吸を整えて歩きだした雷電の目にロッカーが見えた。
通路の突き当たり、角にある為に通路のどちら側からも見えてしまうのが難点だったが、今は他を当たるゆとりは無い。急いで止血をして体力を回復しなければ……、雷電はロッカーの一つに身を隠した。
ロッカーの中で雷電はスニーキングスーツのファスナーを下ろした。脇腹の傷はやはり深いようで、スーツの中に少し血が溜まっていた。
上半身を脱いで、簡単に消毒すると圧迫するようにきつめに止血帯を巻きつけた。
「……く……」
腕を上げて止血帯を巻いている雷電の額に、汗の粒が浮かんだ。
…VRで訓練はした……。負傷に備えて訓練はしてあるが、『実際に傷を負う』のは初めてだった。雷電の肌には今付いたばかりの脇腹の傷以外何の傷も無かった。
…脇腹の傷の上に、体に巻きついたリボンのようなタトゥーがある……。腕にも、腿にも同じようなタトゥーがあるのだが、雷電はいつこれを入れたのか覚えが無かった。初めてローズと寝た時に、タトゥーを入れた覚えがないと言うと、ローズはVRの弊害かも知れないから調べると言ってくれたのだが……まだ答えは聞いていなかった…。
雷電はロッカーの中にしゃがみ込んだ。レーションがあれば良かったのだが、レーションも無かった。
……少し休めれば……。
ビッグシェルに救援は無い。このミッションは雷電一人でこなさなければならないのだ。孤立無援の中で、この負傷は痛かった。
冷たいロッカーの中で、雷電が小さく溜息を吐いた。
もう一度プリスキンに無線を入れてみようか……、あの男も信頼できるとは言い難かったが、巡廻の兵士の目を逃れる所を知っているかも知れない……。
意識を保とうとする雷電だったが、止血の時に使った痛み止めの為なのか、考えようとするのだがそれは纏まる前に指の間を落ちる砂のように消えて行った。
「………」
スカルスーツを戻そうとして、雷電の動きが止まった。
ロッカーの前に人の気配がある……。座り込んでいなければ、何者か判るのだが……。しかし、どちらにしろこの場所では敵の兵士以外にいないのだ、判った所で意味は無い。
足音は無かった……。何人かで来たのならば、足音は聞こえたはずだ。雷電はソーコムを構えた。
一人ならば……。サプレッサーを装備したソーコムは、プリスキンに渡された物だった。
「…おい。撃つなよ」
一瞬、引鉄を引きそうになった雷電の腕が下がった。
ロッカーを開けたのは、プリスキンだった。
プリスキンは座り込んでいた雷電の腕を取った。
「…っ」
体を引き上げられて、雷電が眉を顰めた。
「しばらく我慢をしていろ」
プリスキンは雷電を抱えるようにして、ロッカーから出た。どこかに連れて行かれる…、雷電はそう思ったが、口を利くのさえ億劫でただプリスキンに寄り掛かって足だけを動かしていた。
スカルスーツを脱いでいる為に、体に力が入らなかった。止血をするまでは気が張っていた事もあるが、外から筋肉を補助する物が無い為に、雷電はプリスキンに縋るようにして歩くしかなかった。
脚部を下りて、どこか倉庫のような所に連れて行かれた。野菜の入ったダンボールの入った棚に囲まれた所に雷電は座らされた。
「止血は済ませたんだな?」
傷を確かめたプリスキンに、雷電は小さく頷いた。
「…プリスキン……」
……こんな光景を知っているような気がした……。痛みを感じる体を見下ろしたのは…、その時もこの男だったような気がする。
タトゥー……。雷電はプリスキンの顔をよく見ようとした。
「おいおい、こんなとこでそんな顔は無しだ」
プリスキンは眼のやり場に困ったように顔を背けた。
血の気が引いて尚更白くなった雷電の顔の中で、…熱があるように潤んだ瞳がプリスキンの顔の上を彷徨っている。見詰められる以上に、どこか危うさを持った雷電の瞳を、プリスキンは直視出来なかった。
「……来て……」
雷電を棚に寄り掛からせて下がろうとしたプリスキンの腕を、雷電が掴んだ。子供のように舌足らずな声は、先ほど話した時の雷電とは別人のようだった。
訝しく思いながらプリスキンが覗きこむと、…熱く潤んだ瞳が縋るように見上げていた。
「来て…」
冷たい泉のように見えた雷電の瞳だったが……、今はプリスキンを捕えて放す事は無かった。
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