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拍手下さった方、ありがとうございますv




↓ライジンンンンンーグ!
 …激しく萌えますね……雷電復活なのでしょうか……。
 祈りを込めて、久々のプリ雷更新です。
 プリ雷はかなりゲーム中の流れやセリフを意識していたので、書くのが遅くなってしまうのですが……。ねつ造で行こう!と開き直ることにしました(笑
 大筋の流れは踏んで行こうと思うんですが、ねつ造に次ぐねつ造!自分で書いて萌える事ばっかり書こう!……と、不真面目な方向転換をいたしました。……そんな転回でもお付き合いいただける心の広いお姉さま…、どうぞお付き合いくださいませv

 ぼんやりと浮上した意識を捕まえて、雷電は瞼を上げた。
 目を開いても、暗がりに何も見えなかった。
 ……ロッカー…?……。膝を抱えるように座り込んだ自分の姿勢から、雷電はここがロッカーの中なのかもしれないと思った。
 もう一度目を閉じて、背にあたる感触を確かめる…。冷たいスチールの感触は、ここがロッカーの中なのだと雷電に確信させた。
 ……どのくらいここにいたのだろう……。
 銃弾を受けた脇腹は、血も止まっているようで今は痛みも無かった。傷を確かめてみようかと思った雷電だったが、スカルスーツは首までぴったりと体を覆っていた。止血帯を巻いた時に、スーツの上半身を下していたように思っていたが、いつの間に着たのか……。スーツの上から確かめると、止血帯は巻かれているようだった……。
 ……手当をしたところまで意識はあった………。このロッカーに隠れて、応急処置だけでもすませ………、その後で自分はどうしていたのか…。この狭いロッカーの中で、脱いだスカルスーツを身につける事は不可能だと思える…。
 どこか、ロッカーの外に出たのだろうか…。
 外の気配を見ながら、雷電がロッカーの中で立ち上がると……、自分の髪から、何か嗅ぎ慣れない匂いがするのに気付いた。
「……煙草……」
 雷電の脳裏に、プリスキンの顔が浮かんだ。
 プリスキンはここに来たのか…。思いだそうとすると、雷電は割れるような頭痛を感じた。以前からこの頭痛は何度か経験していた。VR訓練の弊害だと言われたが、アスピリンを処方されるだけだった為に、気にした事も無かったが、今は霞がかかったような記憶を阻むように起こる頭痛に不安を覚えた。
 初めて頭痛を覚えたのは、ローズと一緒にいた時だった。タトゥーの事を話していた時に、雷電は激しい頭痛を感じた。冷や汗に塗れてベッドの上をのた打ち回る雷電をロースが付きっ切りで解放してくれたのだ。翌日検査を受けるようにも言われ、検査を受けたが異常は無いと言われた……。VR訓練を連続して受けると、頭痛や目眩の症状を訴える者がいると言われ、薬を出されたが……、雷電はそれを一錠も飲んだ事は無かった。頭痛が起こると、歩く事は愚か立ち上がる事も出来ないのだ。ずっと、床に転がって、頭痛が収まるのを待っている……。その間に幻覚のような夢を見る事もあったが、頭痛が収まるとそれはきれいに雷電の中から抜け落ちてしまっていたるのだ。
 今日の頭痛は、いつもに比べれば軽いように思えた。叫び出したいような衝動も起こらず、座り込みたくもならない……。
 ……こんなところで、頭痛の発作を起こすわけにはいかない……。雷電は歯を食いしばって、声が漏れるのを抑えた。
 針で突かれるような鋭い痛み、その痛みが一瞬引く間に、雷電の脳裏に覚えの無い情景が浮かんだ。狭い部屋の中には、幾つかベッドが置かれ、服を着ていない子供が座っている……。
 ……何だ、これは………。
 映画か何かを見ているように、雷電にははっきりとその情景が見えていた。
 白髪のようなプラチナブロンドの少年、その肩にハエが止まっているが、少年は振り払いもしない。不意に少年の姿が消えた。唐突に大きな男の影が、雷電の脳裏いっぱいに広がった。逆光に見えない顔…。大きな手が、差し伸べられる。
 ……誰だ…見た事が………。雷電はその男に見覚えがあった。だが、その部屋がどこなのか、それがいつなのかはまるで判らない。何故、自分にこんな記憶があるのかも、雷電には判らないのだ。

『記憶』

 雷電の頭痛がひどくなった。これは幻覚では無い…、自分の中にある記憶なのだと気付いた事で、頭痛は激しくなったようだった。
 ……あれは……。空っぽの瞳で男を見上げているのは…、自分自身だと雷電は思った。
「…う…ぅ…」
 ローズとの他愛無い会話の中で、自分の少年時代や学生時代の話をした時の違和感…、映画を見た話をしていても…映画館の様子や一緒に見たかも知れない友人の姿を何も思いだせなかった時の不安……、それらが津波のように一斉に雷電に襲いかかって来た。

 ……あれは俺だ………。
 真っ白い子供。僧帽筋に刻まれたタトゥー、それは雷電の背にもある物だった。
 ……俺は何を……。何かの施設だろうか、子供が暮らすには劣悪な環境と言える。そんな場所に自分はいた事があるのだろうか……。ごく当たり前の中流家庭に育ち、運動能力の高さを買われて軍にリクルートされた……、それは一体誰の事なのか……。雷電は今まで自分の過去だと思っていた物が、ぼんやりと霞んでいるのを感じた。
「ぁ…あ……」
 割れるように頭が痛くなった。焼けた杭を突き込まれたような激痛に、雷電は膝を折った。

 ……プリスキン…?………。

 雷電の脳裏に浮かんだ男の顔は、プリスキンの物だった。
 どこか違和感を覚えるのだが、それが何なのか判らない……。記憶の中の大きな男、それはプリスキンなのか……。だが、あの少年が自分だとしたら、その男は老け過ぎているのだ…。

 ……誰だ……。

 記憶の糸を手繰れば手繰るほど、雷電の頭痛はひどくなった。

『ジャック…ジャック?…』

 ローズの呼ぶ声が聞こえる……。
 ここはどこなのか……、自分は誰なのか………。
 スネーク……ジャック……雷電……。コードネームはどれなのだ……。

 雷電は頭を押さえて蹲った。
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