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拍手下さった方、ありがとうございますv




↓やっとキスしました……

 スネークの唇がオタコンに触れた。啄ばむように触れて、離れるのが惜しいようにオタコンが爪先立ちになってスネークの唇を追った。何度も、何度も繰り返してキスをしている間に、オタコンの髪が氷のように冷たくなった。
「ん…っ」
 急に抱きあげられて、オタコンが小さく息を漏らした。スネークはオタコンにキスしたまま抱き上げ、暖かい部屋の中に戻った。
 灯りの下で見ると、オタコンの鼻が赤くなっていた。緊張と興奮から潤んだ目と合わせて、スネークにはそれが可愛かった。
「冷たくなってる…」
 スネークがオタコンの濡れた髪に触れた。
「…そんな事無いよ……スネークに触られると…すごくそこが熱いんだ…」
 髪を撫でる手に寄せられたオタコンの頬は、言葉の通りに熱かった。
 ……胸の中が暖かくなるような気持ちと、叫びだしたり泣きだしたくなるような気持ちが、オタコンの中で綯交ぜになっていた。スネークが触れるところが、どこもオーブンの中のバターのように溶けだしてしまいそうに思えた。
 こんな気持ちは、初めての事だった。
 オタコンもそうなのだが、スネークもそうだった。オタコンがあまり幸福では無い人間関係を持ってしまった頃、もちろんこんな気持ちになる事は無かった。罪悪感に苛まれながらも、抗えない自分自身の欲求……、背徳感に支配される情事にオタコンの心はささくれた。スネークにしても、恋人と呼べるような相手と結ばれる事は無かったのだ。スネークにとってセックスはスポーツに近かった。相手は出来るだけエキスパートを選んで来た。こんな風に、腕の中に守るように抱きしめたいと思ったのは、初めての事なのだ…。
 スネークはオタコンを抱きしめたまま、ソファに腰を下ろした。膝の上にオタコンを抱いて、ダウンジャケットを落とす。ネルのシャツ一枚の肩が、いつにも増してオタコンを頼りなく見せていた。
「…スネーク…」
 オタコンの手がスネークの頬を挟みつけて、唇を近付けた。そっと触れると、スネークの舌がオタコンの唇をなぞった。
「ん……」
 くすぐったさにオタコンが唇を開くと、熱いスネークの舌が入り込んできた。
 舌を絡めただけで、オタコンは下着の中の自分が熱くなってくるのが判った。スネークの胴に足を割られて抱かれているのだから、スネークにもそれは伝わってしまっているのだと思うと、オタコンは益々自分が熱くなるのを感じた。
「…んぁ…あ…」
 シャツの中に入ったスネークの手がオタコンの背を撫でると、合わせた唇の間で小さな声が漏れた。背骨に沿って、スネークの手が滑るだけで、オタコンは自分から腰を擦り付けてしまうような快さを感じた。オタコンの指が、スネークのシャツのボタンにかかった。喘ぐような息を紡いで口づけながら、オタコンの手はスネークの直の熱を探していた。
「は…ぁ……」
 スネークの鎖骨から、大胸筋に向かって手を滑らせ、オタコンは今までに感じた事の無い興奮を味わっていた。
「スネ…ク…」
 自分のシャツも脱がして欲しい…。オタコンが言外に告げると、スネークの手が律儀に首まで止められたシャツのボタンを外した。
 スネークの前に、自分の貧弱な体を晒す事は……、耐えがたいような恥ずかしいものだとオタコンは思っていたが、直にスネークの温もりに触れたいと思う気持ちが勝った。
 触れあった肌から、発火するかと思った……。オタコンはスネークの首にしがみ付くように腕をまわして、唇を重ねた。数ミリの隙間さえ無いほど…、どこもかしこも触れあっていたかった。
 スネークも腕の中に抱く温かい体が、この上なく愛おしかった。何かの代償のように行う行為ではなく……、愛おしさだけが募っていく感覚を、スネークも知らなかった……。
「…オタコン……」
「…ひ…ぅんん…」
 スネークの手が、布越しにオタコンの足の間に触れた。ごわつくチノクロスごと握るように手を当てると、オタコンが背中を震わせて小さく声を上げた。
「…待って……出ちゃう……ん…出ちゃうよ、スネーク」
 スネークの手がズボンの中の形を確かめるように動いただけで、オタコンは射精してしまうかと思った。それほどに待ち焦がれた手だったのだ…。
 膝の上で体を起こし自分でファスナーに手をかけたオタコンの白い肌を、スネークはじっと見つめていた。
「…だめだよ……そんなに…見ないで……」
 スネークの目が、余すところなく自分を見ていると思うと、オタコンの手が震えだした。やっとの事でファスナーを下したオタコンの体を、スネークは抱え上げてソファに横たえた。裾を掴んでズボンを引き下ろされると、オタコンは思わず自分の手で下着を抑えた。
 ……可愛い……。スネークはオタコンに体を重ねながら、赤くなった頬にキスした。陽にあたった事が無いような白い肌も、小さく震える肩も……、期待に見開かれた瞳も、すべてがスネークには可愛らしかった。
「オタコン…」
 名を呼んだスネークの唇に惹かれるように、オタコンが唇を寄せた。
 何回でも、何百回でも……、重ねる口づけが愛おしかった。
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