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拍手下さった方、ありがとうございますv
↓…ゲームをしていた時も、雷電は何もわからない感じでしたが……
↓…ゲームをしていた時も、雷電は何もわからない感じでしたが……
呆然としていた雷電の耳に、プリスキンの声が聞こえた。
『雷電、シェル2に移れ』
雷電は辺りを見回した。
……見回しても、姿が見えるはずはなかった。プリスキンの声は、ナノマシンを経由して聞こえているのだ。雷電はそんな基本的な事を忘れていた自分に驚いた。
「…どういう事だ…」
『そこから橋脚を渡って、シェル2に行くんだ』
プリスキンからは説明は無かった。
『大統領はシェル2の一階にいる』
雷電の眉が上がった。
「…………」
自分が意識を失っていた間に、何があったのだろう……。判らない事ばかりだった。記憶の断片のようなものも、雷電には理解の出来ない情景ばかりだった……。このプラントでの事も、もしかしたらVR訓練なのだろうか……。雷電には現実感が感じられなかった。
「…ハリアーは……」
海に落ちたハリアー、今も海面に残骸と油が浮かんでいるのは見える。誰がハリアーを落としたのか…、スニーキングスーツの男は誰なのか…。
「…うっ」
雷電は頭痛を感じた。
『雷電、どうした?傷が開いたのか?』
プリスキンの声に、僅かに人らしい響きがあった。
…何故、奴は俺の負傷を知っているのだろう………。傷を負ってから、ロッカーで目覚めるまでの間の記憶に、プリスキンは無い…。雷電は思い出すのをやめようとした。何かを思い出そうとすれば、頭痛に苛まれる。
……今はミッションの最中だ……。雷電は任務への集中だけを考えた。…だが、初めから今回のミッションは、雷電に馴染めなかった……。単独潜入するには広大なプラント、コードネームの変更、異能力者ばかりの敵、……そして謎のSEALS隊員……。あまりにあり得ないような状況に、雷電はこれが現実の物とは思えなかった。
……通常のVR訓練ならば、訓練と認識できるのだが………。
『雷電?聞いてるのか?』
「…ああ…聞こえる……」
プリスキンの声は聞こえていたが、そして、その声の中に今までは感じなかった物があるのも感じていた。最初から軽口を叩いて雷電をからかうような男だったが…、今は何か親近感を覚えているような調子が声にあるのだ。
……この男は何者なのだ……。雷電の中にずっとあった疑問だが、それを強く感じた。
「…あんた…誰なんだ…?」
『SEALSだと言ったはずだ』
呆れたようなプリスキンの声に、雷電はかっと頭に血が上るのを感じた。
「あんたみたいな軍人がいるかっ!SEALSはヘリ降下したんだ。ヘリで空から来てフナ虫が付くか?それ以外でもあんたにはおかしい事ばかり」
雷電の言葉は最後まで続かなかった。橋脚の向こうに、守備兵がいるのだ。単調に辺りを見回す兵士の様子に、雷電は口を噤んだ。
『俺の身元調査は後でもいいだろ?…取りあえず見回りに気付いた事だけは及第点だがな』
まるで教官のような口振りに、雷電は一瞬ムッとしたが黙っていた。
『見張りは一人だ。橋脚はハリアーに破壊されている、先に見張りをなんとかしてから渡れ。シェル2に入ったらまた無線をする』
「プリスキン」
『なんだ?』
「…俺の傷の手当てをしたのは……あんたか…?」
応答は無かった。無線は切られていないが、プリスキンは黙っているようだ…。
『……いや、俺はしていない』
やや間をおいて、プリスキンが答えた。雷電にもその嘘は判った。
……何故隠すのか………。プリスキンが手当てをしてくれたのなら、隠す必要はない筈だが、この嘘は何の意味があるのか…、雷電には判らない……。
『シェル2に来い。取りあえずはそれからだ』
プリスキンからの無線は切れた。
来いと言ったプリスキンは、シェル2にいるのだろう……。大統領の保護が目的なのは、SEALSも同じ筈だった。だが、プリスキンにはそれ以外の目的があるように思えて仕方がない。
雷電はM9を手にして、橋脚上の守備兵を見た。
……シェル2に行かなければ、始まらないか………。
『雷電、シェル2に移れ』
雷電は辺りを見回した。
……見回しても、姿が見えるはずはなかった。プリスキンの声は、ナノマシンを経由して聞こえているのだ。雷電はそんな基本的な事を忘れていた自分に驚いた。
「…どういう事だ…」
『そこから橋脚を渡って、シェル2に行くんだ』
プリスキンからは説明は無かった。
『大統領はシェル2の一階にいる』
雷電の眉が上がった。
「…………」
自分が意識を失っていた間に、何があったのだろう……。判らない事ばかりだった。記憶の断片のようなものも、雷電には理解の出来ない情景ばかりだった……。このプラントでの事も、もしかしたらVR訓練なのだろうか……。雷電には現実感が感じられなかった。
「…ハリアーは……」
海に落ちたハリアー、今も海面に残骸と油が浮かんでいるのは見える。誰がハリアーを落としたのか…、スニーキングスーツの男は誰なのか…。
「…うっ」
雷電は頭痛を感じた。
『雷電、どうした?傷が開いたのか?』
プリスキンの声に、僅かに人らしい響きがあった。
…何故、奴は俺の負傷を知っているのだろう………。傷を負ってから、ロッカーで目覚めるまでの間の記憶に、プリスキンは無い…。雷電は思い出すのをやめようとした。何かを思い出そうとすれば、頭痛に苛まれる。
……今はミッションの最中だ……。雷電は任務への集中だけを考えた。…だが、初めから今回のミッションは、雷電に馴染めなかった……。単独潜入するには広大なプラント、コードネームの変更、異能力者ばかりの敵、……そして謎のSEALS隊員……。あまりにあり得ないような状況に、雷電はこれが現実の物とは思えなかった。
……通常のVR訓練ならば、訓練と認識できるのだが………。
『雷電?聞いてるのか?』
「…ああ…聞こえる……」
プリスキンの声は聞こえていたが、そして、その声の中に今までは感じなかった物があるのも感じていた。最初から軽口を叩いて雷電をからかうような男だったが…、今は何か親近感を覚えているような調子が声にあるのだ。
……この男は何者なのだ……。雷電の中にずっとあった疑問だが、それを強く感じた。
「…あんた…誰なんだ…?」
『SEALSだと言ったはずだ』
呆れたようなプリスキンの声に、雷電はかっと頭に血が上るのを感じた。
「あんたみたいな軍人がいるかっ!SEALSはヘリ降下したんだ。ヘリで空から来てフナ虫が付くか?それ以外でもあんたにはおかしい事ばかり」
雷電の言葉は最後まで続かなかった。橋脚の向こうに、守備兵がいるのだ。単調に辺りを見回す兵士の様子に、雷電は口を噤んだ。
『俺の身元調査は後でもいいだろ?…取りあえず見回りに気付いた事だけは及第点だがな』
まるで教官のような口振りに、雷電は一瞬ムッとしたが黙っていた。
『見張りは一人だ。橋脚はハリアーに破壊されている、先に見張りをなんとかしてから渡れ。シェル2に入ったらまた無線をする』
「プリスキン」
『なんだ?』
「…俺の傷の手当てをしたのは……あんたか…?」
応答は無かった。無線は切られていないが、プリスキンは黙っているようだ…。
『……いや、俺はしていない』
やや間をおいて、プリスキンが答えた。雷電にもその嘘は判った。
……何故隠すのか………。プリスキンが手当てをしてくれたのなら、隠す必要はない筈だが、この嘘は何の意味があるのか…、雷電には判らない……。
『シェル2に来い。取りあえずはそれからだ』
プリスキンからの無線は切れた。
来いと言ったプリスキンは、シェル2にいるのだろう……。大統領の保護が目的なのは、SEALSも同じ筈だった。だが、プリスキンにはそれ以外の目的があるように思えて仕方がない。
雷電はM9を手にして、橋脚上の守備兵を見た。
……シェル2に行かなければ、始まらないか………。
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