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拍手下さった方、ありがとうございますv
↓森に入りました。
…折角ジャックにライダースーツを着せたのに……おちりの描写が出来ませんでした…
↓森に入りました。
…折角ジャックにライダースーツを着せたのに……おちりの描写が出来ませんでした…
森に入った瞬間に、ジャックの前身の毛が逆立った。何の誇張でも無く、森の中に満ちた殺気がジャックの肌を粟立出せた。
何もかもが死んでしまったように、森の中は静まりかえっている。虫の声さえもが聞こえない。
濃密な破壊の気配。
決壊するダムから逃げ出すかのように、小さな動物たちがジャックの足元を駆けて行った。
「…一人…」
森を埋め尽くす殺気は、たった一人の『彼』が作り出しているのだ。
ジャックは腰につけたナイフを、1本手に取った。
身震いがしたが、それは恐怖の為では無かった。
嬉しかった。
自分の生きる場所に帰って来たような気持ちになった。
……俺は何処にも、…行けない………。
ジャックは森の中を走った。もう走る事での負担もほとんど無い。森中に充満したような殺気の中を、更に濃く淀んだところを探して走った。生い茂る羊歯で足場の悪いところを飛び越え、低い枝を伝うようにしてジャックは森の奥に入り込んだ。
スコールの後の月さえも届かない、真っ暗な木々の間から、ジャックを目がけて銀色の直線が走った。試すように足元を狙って背後から投げられたナイフを、ジャックは振り返りもせずに蹴り落とした。
足元の石に当たって、ナイフが甲高い音を立てた。
「…やはり、お前は俺の半身だ」
暗い森の中でなお一層黒いコートが、ジャックの前に舞い降りた。
それは舞い降りるとしか言いようのない、軽やかな身ごなしだった。
ジャックの前に降り立った影は、優雅とも思える仕草で一礼すると……、血に飢えた吸血鬼のような眼差しでジャックを見詰めた。
彼の姿を見た瞬間に、ジャックの頭の中がかっと熱くなった。
……死ぬ必要などなかったエマ……、特異な才能は持っていたが、愛らしい少女だった。彼女を殺した男、吸血の悪魔がジャックの前にいた。
「ヴァンプ…」
「覚えていたか…?」
忘れた事など無かった。初めて出会った時の恐怖と嫌悪感、…ある意味ジャックにとっては同族嫌悪に近かったのだが……。エマを殺したこの男を、ジャック自身が葬り去っていたと思っていた。
「お前に会いたかった……」
一瞬呆然としたジャックの前から、ヴァンプは助走も無しに近くの木の枝に飛び乗った。
「本当のお前を見たかった」
何本ものナイフが、ジャックに向かって飛んだ。後ろに跳び退って避けたジャックは、体勢を立て直しながら胸のポケットから抜き出したぺティナイフを投げた。
ナイフはヴァンプがいた木の枝に刺さったが、それよりも早く彼は隣の木に飛び移っていた。
夜空を舞う蝙蝠のように、ヴァンプは軽々と木を飛び移って、ジャックの背後に回り込んだ。
「お前は俺と同じ筈だ……」
ヴァンプの言葉を消すように、ジャックはもう1本ナイフを抜いて投げた。
背後に向かってナイフを投げながら、ジャックは眼前の木に向かって走り出した。走りながら足元に突き刺さっているヴァンプのナイフを抜いて指にはさむ。
ジグザグに走りながら、ナイフを拾い、ジャックは太い木の幹に身を隠した。見えるかどうかなどは問題では無い、自分がヴァンプの気配を感じる事が出来るように、彼もジャックの居場所などは判っている。
ジャックは拾ってきたナイフを、腰のベルトに刺した。ヴァンプがコートの中に何本のナイフを仕込んでいるが判らなかったが、挑発と牽制を繰り返して出来るだけ消費させてしまわなければならない。ジャックもナイフを扱う事は出来たが、どちらかと言えば刀剣のような物の方が得意だ。暗がりで、銃弾と同じようにナイフを投げる事が出来るヴァンプが相手では分が悪い。
「貴様と同じなんて言われると、反吐が出そうだな」
ジャックは胸からナイフを取って、ヴァンプの気配に向かって投げた。
答えるように、ジャックの隠れた木にヴァンプの投げたナイフが刺さった。
木の幹に当たった音で、ジャックはナイフの本数に辺りをつけた。あれだけ素早く動くヴァンプが、幾ら細身のナイフでも何百本も持ち歩く事は不可能だと思えた。今までのヴァンプの行動を考えると、常識が通用する相手とは思えなかったが、少しずつ間合いを詰めている様子から、ヴァンプは投げナイフでジャックを倒そうとしていない事は判っていた。
……いたぶるのに飽きれば、奴は必ず接近してくる……。自分の苦しむ姿を間近で見たいはずだと、ジャックは思った。
同じだと言われた事に、嫌悪は覚えたが、ジャックもヴァンプの思っている事が手に取るように判った……。
何もかもが死んでしまったように、森の中は静まりかえっている。虫の声さえもが聞こえない。
濃密な破壊の気配。
決壊するダムから逃げ出すかのように、小さな動物たちがジャックの足元を駆けて行った。
「…一人…」
森を埋め尽くす殺気は、たった一人の『彼』が作り出しているのだ。
ジャックは腰につけたナイフを、1本手に取った。
身震いがしたが、それは恐怖の為では無かった。
嬉しかった。
自分の生きる場所に帰って来たような気持ちになった。
……俺は何処にも、…行けない………。
ジャックは森の中を走った。もう走る事での負担もほとんど無い。森中に充満したような殺気の中を、更に濃く淀んだところを探して走った。生い茂る羊歯で足場の悪いところを飛び越え、低い枝を伝うようにしてジャックは森の奥に入り込んだ。
スコールの後の月さえも届かない、真っ暗な木々の間から、ジャックを目がけて銀色の直線が走った。試すように足元を狙って背後から投げられたナイフを、ジャックは振り返りもせずに蹴り落とした。
足元の石に当たって、ナイフが甲高い音を立てた。
「…やはり、お前は俺の半身だ」
暗い森の中でなお一層黒いコートが、ジャックの前に舞い降りた。
それは舞い降りるとしか言いようのない、軽やかな身ごなしだった。
ジャックの前に降り立った影は、優雅とも思える仕草で一礼すると……、血に飢えた吸血鬼のような眼差しでジャックを見詰めた。
彼の姿を見た瞬間に、ジャックの頭の中がかっと熱くなった。
……死ぬ必要などなかったエマ……、特異な才能は持っていたが、愛らしい少女だった。彼女を殺した男、吸血の悪魔がジャックの前にいた。
「ヴァンプ…」
「覚えていたか…?」
忘れた事など無かった。初めて出会った時の恐怖と嫌悪感、…ある意味ジャックにとっては同族嫌悪に近かったのだが……。エマを殺したこの男を、ジャック自身が葬り去っていたと思っていた。
「お前に会いたかった……」
一瞬呆然としたジャックの前から、ヴァンプは助走も無しに近くの木の枝に飛び乗った。
「本当のお前を見たかった」
何本ものナイフが、ジャックに向かって飛んだ。後ろに跳び退って避けたジャックは、体勢を立て直しながら胸のポケットから抜き出したぺティナイフを投げた。
ナイフはヴァンプがいた木の枝に刺さったが、それよりも早く彼は隣の木に飛び移っていた。
夜空を舞う蝙蝠のように、ヴァンプは軽々と木を飛び移って、ジャックの背後に回り込んだ。
「お前は俺と同じ筈だ……」
ヴァンプの言葉を消すように、ジャックはもう1本ナイフを抜いて投げた。
背後に向かってナイフを投げながら、ジャックは眼前の木に向かって走り出した。走りながら足元に突き刺さっているヴァンプのナイフを抜いて指にはさむ。
ジグザグに走りながら、ナイフを拾い、ジャックは太い木の幹に身を隠した。見えるかどうかなどは問題では無い、自分がヴァンプの気配を感じる事が出来るように、彼もジャックの居場所などは判っている。
ジャックは拾ってきたナイフを、腰のベルトに刺した。ヴァンプがコートの中に何本のナイフを仕込んでいるが判らなかったが、挑発と牽制を繰り返して出来るだけ消費させてしまわなければならない。ジャックもナイフを扱う事は出来たが、どちらかと言えば刀剣のような物の方が得意だ。暗がりで、銃弾と同じようにナイフを投げる事が出来るヴァンプが相手では分が悪い。
「貴様と同じなんて言われると、反吐が出そうだな」
ジャックは胸からナイフを取って、ヴァンプの気配に向かって投げた。
答えるように、ジャックの隠れた木にヴァンプの投げたナイフが刺さった。
木の幹に当たった音で、ジャックはナイフの本数に辺りをつけた。あれだけ素早く動くヴァンプが、幾ら細身のナイフでも何百本も持ち歩く事は不可能だと思えた。今までのヴァンプの行動を考えると、常識が通用する相手とは思えなかったが、少しずつ間合いを詰めている様子から、ヴァンプは投げナイフでジャックを倒そうとしていない事は判っていた。
……いたぶるのに飽きれば、奴は必ず接近してくる……。自分の苦しむ姿を間近で見たいはずだと、ジャックは思った。
同じだと言われた事に、嫌悪は覚えたが、ジャックもヴァンプの思っている事が手に取るように判った……。
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