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拍手下さった方、ありがとうございますv
↓私は1スネがやはり好きなようです……。
↓私は1スネがやはり好きなようです……。
オタコンが抱きしめたスネークの体は冷たかった。自律神経を失調している為に、体温のコントロールも出来なくなっているのだ。
「…スネーク……」
スノーモービルの記憶が、オタコンの脳裏を掠めた。何も出来ないと、自分の無力さに嫌気がさすほど……、スネークの背はオタコンを安心させてくれたのだ。新しい世界を目指して……、不安しか無かったオタコンの中に、スネークは一筋の光明だった。
「…僕……、君に頼ってばかりだよね……」
メタルギア撲滅の為のフィランソロピーを立ち上げたいと言ったオタコンに、スネークは賛同してくれた。あの絶対的な力を知っている二人だからこそ、世界中のメタルギアを無くそうと思った、……あの時も、スネークの背を頼もしく見たのだ。
一緒に暮らし始めてからも、生活に関する事がすっぽりと抜け落ちているようなオタコンを、スネークはずっと支えてくれた。誰かに言われなければ、レーションの中のチョコバーだけで何日も過ごしてしまうオタコンに、バランスの良い食事を作ってくれて……、ともすれば殺伐とするアパートの中を、スネークはいつも居心地のいい場所にしてくれていた。
「スネーク…僕にも、頼ってよ……。僕は何も出来ないかも知れないけど……」
鬱病の診断を受けた事があると、スネークは初めから言っていた…。戦場を離れたのは自分の意志だったが、戦場を離れては暮らせないスネーク。二律背反する心を二つ…、スネークはその上に微妙なバランスで生きているのだと、オタコンも最近になって知った。
スネークは夢のスーパーヒーローでは無かった。
けれど、無敵のヒーローで無かったからこそ、オタコンはスネークに惹かれたのだ。オタコンにも自覚はうっすらとあったが、自然とオタコンは人の弱さに惹かれる。心の中に、暗い淵を持っている人に、いつも心惹かれてしまうのだ。
「でも、僕はずっと側にいて、こうして君を抱きしめる事が出来るよ……」
スネークから見たらひ弱に思えるだろうが、どんなに苦しんでも、どんなに傷ついても、オタコンは自分の足でスネークについて行くと決めていた。
「…スネーク……ずっと、一緒にいよう……」
この3日間、オタコンに迷いが無かったわけでは無かった。久しぶりにプラスティックモデルに手を出してみたのも、無心になってみたかったからだった。モデムの電源を落とし、外界との接触を断ち切って、スネークと二人きりの閉塞感を感じてみようと思った……。誰か、他人と四六時中一緒にいる……、以前のオタコンには無理な事だと思えた。シャドーモセスでの軟禁状態とは違う、自分の意志で他人とシェアしあう。そんな事が自分に可能なのだろうか……、何度もオタコンは自分に問いかけてみた。肉親でさえ、一緒にいる事が出来なかった自分が、誰かと『自分自身』をシェアする……。他人を受け入れると言う事は、自分を明け渡すことにもなる……、そうまでして、自分はスネークと一緒にいたいと思うだろうか………。何度も、何度も自問自答した結果…、オタコンはこうしてスネークに告白する事を選んだ。
「僕を恋人にして……」
暗い淵のように落ち窪んだスネークの眼を、オタコンは覗き込んだ。
……ほらね…スネークなら、怖くないんだ………。
自己崩壊を起こすような鬱に沈み込んでいるスネークでも、オタコンは愛しいと思う事が出来た。
オタコンの唇が、そっとスネークの唇に触れると……、スネークは小さく震えた。
「…スネーク…」
眼鏡を外すと、スネークの顔がぼんやりと霞んだ。
「……ハル……」
石像のようだったスネークの唇がオタコンを呼んだ。
「…うん……」
オタコンは自分の名前がとても大切なものに聞こえた。
「ハル…」
スネークの右の眼が、静かに涙を零した。
「うん…」
大切な、大切な誓いの言葉に応えるように……、オタコンは自分自身を込めて返事をした。
「俺を……一人にしないでくれ……」
スネークの腕がオタコンを抱きしめた。
「うん…僕たち、ずっと一緒だよ……」
オタコンの肩を抱きしめた腕は……、伝説の英雄の腕だが、こもる力は迷子の子供のように頼りなかった。
「君は僕のものになってね……」
スネークの髪を撫で、オタコンの目頭も熱くなった。
「…僕は君のものだから……」
不精髭の生えた頬を撫で、オタコンはスネークに口づけた。
「…スネーク……」
スノーモービルの記憶が、オタコンの脳裏を掠めた。何も出来ないと、自分の無力さに嫌気がさすほど……、スネークの背はオタコンを安心させてくれたのだ。新しい世界を目指して……、不安しか無かったオタコンの中に、スネークは一筋の光明だった。
「…僕……、君に頼ってばかりだよね……」
メタルギア撲滅の為のフィランソロピーを立ち上げたいと言ったオタコンに、スネークは賛同してくれた。あの絶対的な力を知っている二人だからこそ、世界中のメタルギアを無くそうと思った、……あの時も、スネークの背を頼もしく見たのだ。
一緒に暮らし始めてからも、生活に関する事がすっぽりと抜け落ちているようなオタコンを、スネークはずっと支えてくれた。誰かに言われなければ、レーションの中のチョコバーだけで何日も過ごしてしまうオタコンに、バランスの良い食事を作ってくれて……、ともすれば殺伐とするアパートの中を、スネークはいつも居心地のいい場所にしてくれていた。
「スネーク…僕にも、頼ってよ……。僕は何も出来ないかも知れないけど……」
鬱病の診断を受けた事があると、スネークは初めから言っていた…。戦場を離れたのは自分の意志だったが、戦場を離れては暮らせないスネーク。二律背反する心を二つ…、スネークはその上に微妙なバランスで生きているのだと、オタコンも最近になって知った。
スネークは夢のスーパーヒーローでは無かった。
けれど、無敵のヒーローで無かったからこそ、オタコンはスネークに惹かれたのだ。オタコンにも自覚はうっすらとあったが、自然とオタコンは人の弱さに惹かれる。心の中に、暗い淵を持っている人に、いつも心惹かれてしまうのだ。
「でも、僕はずっと側にいて、こうして君を抱きしめる事が出来るよ……」
スネークから見たらひ弱に思えるだろうが、どんなに苦しんでも、どんなに傷ついても、オタコンは自分の足でスネークについて行くと決めていた。
「…スネーク……ずっと、一緒にいよう……」
この3日間、オタコンに迷いが無かったわけでは無かった。久しぶりにプラスティックモデルに手を出してみたのも、無心になってみたかったからだった。モデムの電源を落とし、外界との接触を断ち切って、スネークと二人きりの閉塞感を感じてみようと思った……。誰か、他人と四六時中一緒にいる……、以前のオタコンには無理な事だと思えた。シャドーモセスでの軟禁状態とは違う、自分の意志で他人とシェアしあう。そんな事が自分に可能なのだろうか……、何度もオタコンは自分に問いかけてみた。肉親でさえ、一緒にいる事が出来なかった自分が、誰かと『自分自身』をシェアする……。他人を受け入れると言う事は、自分を明け渡すことにもなる……、そうまでして、自分はスネークと一緒にいたいと思うだろうか………。何度も、何度も自問自答した結果…、オタコンはこうしてスネークに告白する事を選んだ。
「僕を恋人にして……」
暗い淵のように落ち窪んだスネークの眼を、オタコンは覗き込んだ。
……ほらね…スネークなら、怖くないんだ………。
自己崩壊を起こすような鬱に沈み込んでいるスネークでも、オタコンは愛しいと思う事が出来た。
オタコンの唇が、そっとスネークの唇に触れると……、スネークは小さく震えた。
「…スネーク…」
眼鏡を外すと、スネークの顔がぼんやりと霞んだ。
「……ハル……」
石像のようだったスネークの唇がオタコンを呼んだ。
「…うん……」
オタコンは自分の名前がとても大切なものに聞こえた。
「ハル…」
スネークの右の眼が、静かに涙を零した。
「うん…」
大切な、大切な誓いの言葉に応えるように……、オタコンは自分自身を込めて返事をした。
「俺を……一人にしないでくれ……」
スネークの腕がオタコンを抱きしめた。
「うん…僕たち、ずっと一緒だよ……」
オタコンの肩を抱きしめた腕は……、伝説の英雄の腕だが、こもる力は迷子の子供のように頼りなかった。
「君は僕のものになってね……」
スネークの髪を撫で、オタコンの目頭も熱くなった。
「…僕は君のものだから……」
不精髭の生えた頬を撫で、オタコンはスネークに口づけた。
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