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拍手下さった方、ありがとうございますv
↓Snake kitcenとは違う感じになりそうです。お初から、Snake kitcenに繋がるようにしたかったのですが、繋がらなそうです
↓Snake kitcenとは違う感じになりそうです。お初から、Snake kitcenに繋がるようにしたかったのですが、繋がらなそうです
クウェリが亡くなって数日が経っていた。
オタコンも幾分か落ち着きを取り戻し、…スネークも自分の気持ちを隠すのに慣れた。二人とも、お互いの事が気にかかり、これは恋なのだと確信を持てるような事柄は多くあったのだが……、どちらもが臆病になっていた。
スネークは軍隊時代の名残のように思われはしないかと…、それに、男に言い寄られてオタコンが喜ぶとは思えなかったのだ。未だにウルフの面影を大切にしているオタコンに、男の自分が好きだと言ったところで相手にされるとは思っていなかった。スネーク自身が、今まで女性にしか恋愛感情を持った事が無かった為に、自分の現状に戸惑っていた。
オタコンも同じだった。
スネークは自分を相棒にしてくれたのだ、決して色恋などと甘い感情で一緒に住んでいるのではないと思っていた。それに、オタコンは自分の容姿に対して少なからぬコンプレックスを持っていた。たとえ男だとしても、女性と間違えるような美貌の持ち主であれば……そんな事さえ思う自分を、オタコンは自分自身で滑稽だと思った。
表面上は、お互いに何事も無かったかのように暮らしていた。
スネークは留守にしていた間に傷んだ家の修復に精を出して、オタコンは定期巡回のようにハッキングをする。今まで通りのようではあったが、オタコンはスネークに呼ばれずにも食卓につくようになった。自分の気持ちに気づかれてはいけないとは思っても、同じ屋根の下に暮していれば顔を見たいのは仕方のない事だ。スネークの方も、食事を済ませてすぐにオタコンが自分の部屋に行ってしまわないように、食後にオタコンの気を引きそうな甘いものを用意するようになった。
自分が隠す思いに囚われていなければ、…相手が自分に好意を持っている事はすぐにでも気付く事が出来たかもしれないが、どちらもが自分の気持ちを隠す事に腐心していて気付く事は出来なかった。
その日、昼食を済ませたオタコンは、暖炉の前にラップトップを持って行って何かを調べていた。スネークも食事の後片づけをしてからは、リビングで工具の手入れをしていた。
オタコンは折り紙のサイトを調べていたのだ。手元にはコピー用紙が何枚か置いてあった。
クウェリの墓に、オタコンは花を供えたいと思っていた。
雪の中に咲く花も無く、…フェアバンクスまで行けば花屋はあるが、そこに行ってあの女性に会うのがオタコンは厭だったのだ。オタコンが花を買いに行きたいと言えば、スネークは何かお使いを頼むだろう…、もしかしたら、自分が行ってきてやると言うかもしれない……。
オタコンはそのどちらも厭だったのだ。
買い出しに行って買うものは、食品と日用雑貨、…彼女はドラッグストアに隣接したカフェにいたのだ。どこに買い物に行こうと、いつもと同じ店に行けば、絶対に彼女を見る事になる……。オタコンは花を買いに行くのを諦めた。だが、何か花の代わりになる物をと思った時に、以前見た事のある日本の折り紙のサイトを思い出したのだ。紙を折って強度を増したり、金属を出来るだけ軽量で強度を上げたりといった工程で、折り紙は役に立った。一枚の紙を折り曲げただけで、立体を作り出す事も面白かった。それを思い出したオタコンは、折り紙の花を作ってクウェリの墓に供えようと思った。
検索サイトからorigamiを検索していたオタコンは、幾つかの折り紙サイトを巡っていたが、幾つ目かに開いたページはタイトルは折り紙だったが、誰かのブログのようだった。
ブラウザで戻ろうとして、…オタコンの手が止まった。
日付が入っているようなので、ブログだとは判ったが、日本語で書かれているそれはオタコンには何が書かれているのか判らなかった。
オタコンの手が止まったのは…、バナー広告に見入ってしまったからだった。その広告は、一瞬見ただけではただの肌色の何かのように見え、荒いマスクの為に、はっきりと何が映っているのか判るまでに時間がかかった。少し見ていると、動きから成人向けのサイトのバナーだという事は判った。
ラップトップの前で、オタコンは固まってしまった。
広告は幾つかの画像の連続なのだが…、その中に、どう見てもどちらも男性の性行為が含まれている……。大きく広げて肩に担がれた足には、濃い脛毛が見える…。マスクの無い画像では、みっしりと筋肉をまとった男性が、やはりボディビルダーのような体躯の男に背後から貫かれている。
ゲイのセックスというものを、オタコンも何となくは知っていた。だが、実際に目にした事などは無かった。
……僕は…こんなことをしたいんだろうか………。
スネークの腕に抱かれたら……、それはオタコンも思ってみた事だったが、具体的な行為は考えてみた事も無かった。
思わずそのバナーをクリックしてしまったオタコンだったが、リンクされたサイトに圧倒されてしまった。DVDやグッズを扱うサイトだという事は辛うじて判った。だが、サンプル画像を見ただけで、オタコンは顔が熱くなってきた。
サンプルで動いている画像は、どれも筋骨逞しい男性ばかりだった。東洋人らしい浅黒い肌、滑らかな筋肉、オタコンは自分の体が本当に恥ずかしくなった。ここにある画像に比べたら、自分はまるで子供のようだ……。もしも、スネークがバイセクシャルだったとしても、こんな自分に興味を覚える事はないだろう……。そう思うと、オタコンは寂しくなった。
何をやっても…何を思っても上手くいかない……。
オタコンはブラウザで元の折り紙のサイトに戻った。頬の火照りは消えなかったが、あまりにもかけ離れた姿に自分を投影してみようなどと言った気も起きなかった。
それでも、まだ動悸がしていた。コピー用紙を正方形に切り、画面を見ながらそれに集中しようとするが、オタコンの脳裏には今見た画像が焼き付いていた。
「何を作ってるんだ?」
オタコンが折り紙にやっと集中し始めると、いつの間に来たのか、隣に腰を下ろしたスネークが尋ねた。
「え!…あ…お、折り紙だよ。こうやって……紙に折り後をつけて開いたりして……形を作るんだ」
オタコンの手の中で、コピー用紙は4枚の花弁をもった花になっていた。
「へぇ…器用なもんだな」
小さな花を掌にのせて、スネークが感心したような声を出した。
「アジサイって言うんだって。ライラックに似てるね」
もとになった花の画像を見ながらオタコンが言うと、スネークが背に覆いかぶさるようにしてラップトップを覗き込んだ。
背中に当たった体温に、オタコンの鼓動が速くなった。
……あんなものを見た後だったからか、オタコンは耳まで熱くなった。
「…オタコン?」
「あ…うん…まだ上手に折れないから恥ずかしいよ…」
こんなことぐらいで動揺していては、スネークに不審に思われる……、そう思っていても、オタコンは寄せられた体温が嬉しくなってしまう。自分の気持ちに困惑はしているのだが、人を好きになる気持ちは、相手が誰であっても変わりはないのだ。触れられたい……触れてみたい……、オタコンはまるで自分が10代に戻ってしまったような錯覚を覚えた。その頃は、特定の思いを寄せる人もなく、趣味に没頭するだけの少年だったが、今のこの気持ちは、ちょうどそのくらいの少年が抱くような思いなのだと思う。
「きれいな花だな」
オタコンの動揺を察したわけではないが、スネークは折り紙を返すと、カウチに戻って工具箱を片づけ始めた。
オタコンも幾分か落ち着きを取り戻し、…スネークも自分の気持ちを隠すのに慣れた。二人とも、お互いの事が気にかかり、これは恋なのだと確信を持てるような事柄は多くあったのだが……、どちらもが臆病になっていた。
スネークは軍隊時代の名残のように思われはしないかと…、それに、男に言い寄られてオタコンが喜ぶとは思えなかったのだ。未だにウルフの面影を大切にしているオタコンに、男の自分が好きだと言ったところで相手にされるとは思っていなかった。スネーク自身が、今まで女性にしか恋愛感情を持った事が無かった為に、自分の現状に戸惑っていた。
オタコンも同じだった。
スネークは自分を相棒にしてくれたのだ、決して色恋などと甘い感情で一緒に住んでいるのではないと思っていた。それに、オタコンは自分の容姿に対して少なからぬコンプレックスを持っていた。たとえ男だとしても、女性と間違えるような美貌の持ち主であれば……そんな事さえ思う自分を、オタコンは自分自身で滑稽だと思った。
表面上は、お互いに何事も無かったかのように暮らしていた。
スネークは留守にしていた間に傷んだ家の修復に精を出して、オタコンは定期巡回のようにハッキングをする。今まで通りのようではあったが、オタコンはスネークに呼ばれずにも食卓につくようになった。自分の気持ちに気づかれてはいけないとは思っても、同じ屋根の下に暮していれば顔を見たいのは仕方のない事だ。スネークの方も、食事を済ませてすぐにオタコンが自分の部屋に行ってしまわないように、食後にオタコンの気を引きそうな甘いものを用意するようになった。
自分が隠す思いに囚われていなければ、…相手が自分に好意を持っている事はすぐにでも気付く事が出来たかもしれないが、どちらもが自分の気持ちを隠す事に腐心していて気付く事は出来なかった。
その日、昼食を済ませたオタコンは、暖炉の前にラップトップを持って行って何かを調べていた。スネークも食事の後片づけをしてからは、リビングで工具の手入れをしていた。
オタコンは折り紙のサイトを調べていたのだ。手元にはコピー用紙が何枚か置いてあった。
クウェリの墓に、オタコンは花を供えたいと思っていた。
雪の中に咲く花も無く、…フェアバンクスまで行けば花屋はあるが、そこに行ってあの女性に会うのがオタコンは厭だったのだ。オタコンが花を買いに行きたいと言えば、スネークは何かお使いを頼むだろう…、もしかしたら、自分が行ってきてやると言うかもしれない……。
オタコンはそのどちらも厭だったのだ。
買い出しに行って買うものは、食品と日用雑貨、…彼女はドラッグストアに隣接したカフェにいたのだ。どこに買い物に行こうと、いつもと同じ店に行けば、絶対に彼女を見る事になる……。オタコンは花を買いに行くのを諦めた。だが、何か花の代わりになる物をと思った時に、以前見た事のある日本の折り紙のサイトを思い出したのだ。紙を折って強度を増したり、金属を出来るだけ軽量で強度を上げたりといった工程で、折り紙は役に立った。一枚の紙を折り曲げただけで、立体を作り出す事も面白かった。それを思い出したオタコンは、折り紙の花を作ってクウェリの墓に供えようと思った。
検索サイトからorigamiを検索していたオタコンは、幾つかの折り紙サイトを巡っていたが、幾つ目かに開いたページはタイトルは折り紙だったが、誰かのブログのようだった。
ブラウザで戻ろうとして、…オタコンの手が止まった。
日付が入っているようなので、ブログだとは判ったが、日本語で書かれているそれはオタコンには何が書かれているのか判らなかった。
オタコンの手が止まったのは…、バナー広告に見入ってしまったからだった。その広告は、一瞬見ただけではただの肌色の何かのように見え、荒いマスクの為に、はっきりと何が映っているのか判るまでに時間がかかった。少し見ていると、動きから成人向けのサイトのバナーだという事は判った。
ラップトップの前で、オタコンは固まってしまった。
広告は幾つかの画像の連続なのだが…、その中に、どう見てもどちらも男性の性行為が含まれている……。大きく広げて肩に担がれた足には、濃い脛毛が見える…。マスクの無い画像では、みっしりと筋肉をまとった男性が、やはりボディビルダーのような体躯の男に背後から貫かれている。
ゲイのセックスというものを、オタコンも何となくは知っていた。だが、実際に目にした事などは無かった。
……僕は…こんなことをしたいんだろうか………。
スネークの腕に抱かれたら……、それはオタコンも思ってみた事だったが、具体的な行為は考えてみた事も無かった。
思わずそのバナーをクリックしてしまったオタコンだったが、リンクされたサイトに圧倒されてしまった。DVDやグッズを扱うサイトだという事は辛うじて判った。だが、サンプル画像を見ただけで、オタコンは顔が熱くなってきた。
サンプルで動いている画像は、どれも筋骨逞しい男性ばかりだった。東洋人らしい浅黒い肌、滑らかな筋肉、オタコンは自分の体が本当に恥ずかしくなった。ここにある画像に比べたら、自分はまるで子供のようだ……。もしも、スネークがバイセクシャルだったとしても、こんな自分に興味を覚える事はないだろう……。そう思うと、オタコンは寂しくなった。
何をやっても…何を思っても上手くいかない……。
オタコンはブラウザで元の折り紙のサイトに戻った。頬の火照りは消えなかったが、あまりにもかけ離れた姿に自分を投影してみようなどと言った気も起きなかった。
それでも、まだ動悸がしていた。コピー用紙を正方形に切り、画面を見ながらそれに集中しようとするが、オタコンの脳裏には今見た画像が焼き付いていた。
「何を作ってるんだ?」
オタコンが折り紙にやっと集中し始めると、いつの間に来たのか、隣に腰を下ろしたスネークが尋ねた。
「え!…あ…お、折り紙だよ。こうやって……紙に折り後をつけて開いたりして……形を作るんだ」
オタコンの手の中で、コピー用紙は4枚の花弁をもった花になっていた。
「へぇ…器用なもんだな」
小さな花を掌にのせて、スネークが感心したような声を出した。
「アジサイって言うんだって。ライラックに似てるね」
もとになった花の画像を見ながらオタコンが言うと、スネークが背に覆いかぶさるようにしてラップトップを覗き込んだ。
背中に当たった体温に、オタコンの鼓動が速くなった。
……あんなものを見た後だったからか、オタコンは耳まで熱くなった。
「…オタコン?」
「あ…うん…まだ上手に折れないから恥ずかしいよ…」
こんなことぐらいで動揺していては、スネークに不審に思われる……、そう思っていても、オタコンは寄せられた体温が嬉しくなってしまう。自分の気持ちに困惑はしているのだが、人を好きになる気持ちは、相手が誰であっても変わりはないのだ。触れられたい……触れてみたい……、オタコンはまるで自分が10代に戻ってしまったような錯覚を覚えた。その頃は、特定の思いを寄せる人もなく、趣味に没頭するだけの少年だったが、今のこの気持ちは、ちょうどそのくらいの少年が抱くような思いなのだと思う。
「きれいな花だな」
オタコンの動揺を察したわけではないが、スネークは折り紙を返すと、カウチに戻って工具箱を片づけ始めた。
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