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拍手下さった方、ありがとうございますv
PC復活しました。更新無いのに見に来てくださった方、ありがとうございますv
…復活したのですが……どこをいじっても固定キーが有効になりません……どうしてだろう…
↓4ベースです
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…復活したのですが……どこをいじっても固定キーが有効になりません……どうしてだろう…
↓4ベースです
白かった。
雷電から流れ出した夥しい血液は、真っ白だった。
スネークはそれが人工血液である事は判っていたが……、まるで羽をもぎ取られた天使のようで、雷電を直視する事が辛かった。
自分が会わなかった間に、雷電に何が起こったのか……。オタコンやナオミから説明はされたが、スネークとしては納得のいかない所だった。そして、…愛国者達への怒りは募った。
このような生き物……、戦いの為だけの犬を作り出す事に何の意味があるのだろうか……。
スネークは、横たわる雷電の顔を見つめ、…自分の目の奥が熱くなるのを感じた。
「…雷電……」
思わずにこぼれたスネークの声に、雷電の瞼が震えた。
…それは幾度もスネークの口づけを強請った瞼だった。……欲情を呼び覚ます為では無く…、嫌な夢を見ないおまじないだと、笑った雷電の顔を思い出すと……、スネークの胸が痛んだ。
人は無力だ。大きな流れの中では、逆らう事も出来ずに流されるしかない……。
………俺達…もう、流れ着く先だって無いのにな………。
細胞の老衰を感じるスネーク、…細胞が活性化し続ける雷電、全く別の現象のようでありながら、それは背中合わせのようなものだ。
どちらもが、セルの死に向かっている……。
そっと雷電の瞼に掌を当てると…、暖かく濡らす物があった。まだ、涙する時では無い……。まだ、途中でしか無い。スネークにも雷電にも判っている事だったが、今は互いの温もりが嬉しかった。
「なぁ…雷電、これが全部終わったら…お前はどうするつもりなんだ?」
意識もはっきりとしない雷電が答えるとも思えなかったが、スネークは夢を見たかった。
「俺はまた犬を飼おうと思っている。橇犬を飼って、犬橇レースに明け暮れるんだ」
小刻みに震えていた雷電の瞼が、うっすらと開いた。
色の薄い瞳に生気はなく、本物の天使のように儚げな光を宿すだけだったが、スネークは雷電の顔を覗き込むと、視線を合わせようとした。
「お前さんも良かったら来ないか?雪ばかり降る所だが、俺はあそこが好きだ。きっとお前さんも気にいると思うがな」
色々なセーフハウスでスネークと雷電は会ったが、スネークの家に雷電が来た事は無かった。雷電とスネークが知り合った頃には、スネーク自身でさえ家には帰れない状況だった。
雪に降り込められた土地でならば、寄り添う温もりはより一層に愛しいはずだ、スネークが雷電の髪を撫でながら言うと、血の気のない雷電の唇がうっすらと開いた。
さようならと言うかわりに…、キスを欲しがる瞳を思い出して、スネークはそっと指先でその唇に触れた。
「俺もキスしたいよ…熱烈な奴をさ」
スネークが言うと、雷電の唇が僅かに微笑んだように見えた。
……本物の天使みたいだな………。
朝日を浴びた雷電の背に、翼が生えて飛び立ってしまうのではないかと……、明け方にそっと抱きしめた肌をスネークは思い出していた。
殺戮の天使。白い悪魔。
雷電自身は、不器用に幼い心を抱えたままで生きていただけだった。
……愛して欲しい……。子供には無償に与えられるべきそうした感情を、雷電は知らずに生きて来たのだ。
スネークも、雷電を愛する事が出来るのか……、問われれば、ノーと言う外はないのだが……。スネークも愛情とはあまり縁がなく生きて来た。
どちらもが、漂泊する魂だった。
だからこそ、惹かれた。
雷電はスネークの孤高に……。スネークも雷電の孤独に……。どちらもが一人ぽっちの子供を胸に抱えたままで生きて来た。
「…スネ…ク……」
小さな声がした。
スネークが触れていた雷電の唇が、かさかさに乾いた唇が、スネークの名を呼んだ。
「ん?」
雷電の顔の上に屈みこんだスネークが、雷電の声を聞き取ろうと顔を寄せた。
「……ああ…そうだな……」
…スネークの瞳から、一筋涙が零れた。
これほどに傷つき、己を殺した男の口からは……、一人にしないで欲しい……、たったそればかりの願いが零れたのだ。
スネークはその声を一つも零さないように……、零れた先から消えてしまわないようにと願いを込めて、雷電の唇に口づけた。
雷電から流れ出した夥しい血液は、真っ白だった。
スネークはそれが人工血液である事は判っていたが……、まるで羽をもぎ取られた天使のようで、雷電を直視する事が辛かった。
自分が会わなかった間に、雷電に何が起こったのか……。オタコンやナオミから説明はされたが、スネークとしては納得のいかない所だった。そして、…愛国者達への怒りは募った。
このような生き物……、戦いの為だけの犬を作り出す事に何の意味があるのだろうか……。
スネークは、横たわる雷電の顔を見つめ、…自分の目の奥が熱くなるのを感じた。
「…雷電……」
思わずにこぼれたスネークの声に、雷電の瞼が震えた。
…それは幾度もスネークの口づけを強請った瞼だった。……欲情を呼び覚ます為では無く…、嫌な夢を見ないおまじないだと、笑った雷電の顔を思い出すと……、スネークの胸が痛んだ。
人は無力だ。大きな流れの中では、逆らう事も出来ずに流されるしかない……。
………俺達…もう、流れ着く先だって無いのにな………。
細胞の老衰を感じるスネーク、…細胞が活性化し続ける雷電、全く別の現象のようでありながら、それは背中合わせのようなものだ。
どちらもが、セルの死に向かっている……。
そっと雷電の瞼に掌を当てると…、暖かく濡らす物があった。まだ、涙する時では無い……。まだ、途中でしか無い。スネークにも雷電にも判っている事だったが、今は互いの温もりが嬉しかった。
「なぁ…雷電、これが全部終わったら…お前はどうするつもりなんだ?」
意識もはっきりとしない雷電が答えるとも思えなかったが、スネークは夢を見たかった。
「俺はまた犬を飼おうと思っている。橇犬を飼って、犬橇レースに明け暮れるんだ」
小刻みに震えていた雷電の瞼が、うっすらと開いた。
色の薄い瞳に生気はなく、本物の天使のように儚げな光を宿すだけだったが、スネークは雷電の顔を覗き込むと、視線を合わせようとした。
「お前さんも良かったら来ないか?雪ばかり降る所だが、俺はあそこが好きだ。きっとお前さんも気にいると思うがな」
色々なセーフハウスでスネークと雷電は会ったが、スネークの家に雷電が来た事は無かった。雷電とスネークが知り合った頃には、スネーク自身でさえ家には帰れない状況だった。
雪に降り込められた土地でならば、寄り添う温もりはより一層に愛しいはずだ、スネークが雷電の髪を撫でながら言うと、血の気のない雷電の唇がうっすらと開いた。
さようならと言うかわりに…、キスを欲しがる瞳を思い出して、スネークはそっと指先でその唇に触れた。
「俺もキスしたいよ…熱烈な奴をさ」
スネークが言うと、雷電の唇が僅かに微笑んだように見えた。
……本物の天使みたいだな………。
朝日を浴びた雷電の背に、翼が生えて飛び立ってしまうのではないかと……、明け方にそっと抱きしめた肌をスネークは思い出していた。
殺戮の天使。白い悪魔。
雷電自身は、不器用に幼い心を抱えたままで生きていただけだった。
……愛して欲しい……。子供には無償に与えられるべきそうした感情を、雷電は知らずに生きて来たのだ。
スネークも、雷電を愛する事が出来るのか……、問われれば、ノーと言う外はないのだが……。スネークも愛情とはあまり縁がなく生きて来た。
どちらもが、漂泊する魂だった。
だからこそ、惹かれた。
雷電はスネークの孤高に……。スネークも雷電の孤独に……。どちらもが一人ぽっちの子供を胸に抱えたままで生きて来た。
「…スネ…ク……」
小さな声がした。
スネークが触れていた雷電の唇が、かさかさに乾いた唇が、スネークの名を呼んだ。
「ん?」
雷電の顔の上に屈みこんだスネークが、雷電の声を聞き取ろうと顔を寄せた。
「……ああ…そうだな……」
…スネークの瞳から、一筋涙が零れた。
これほどに傷つき、己を殺した男の口からは……、一人にしないで欲しい……、たったそればかりの願いが零れたのだ。
スネークはその声を一つも零さないように……、零れた先から消えてしまわないようにと願いを込めて、雷電の唇に口づけた。
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